924@SHIBUYA-AX 「犬が吠える」初ライブ

例のアレはぼちぼちラストスパートに入りたい。
と忙しいのはさておき、SHIBUYA-AXの924というイベントに行ってきた。元syrup16g五十嵐隆出演。
五十嵐の新バンド名は
「犬が吠える」
だと、当日昼ネットで知る。
本当に新バンドなんだと期待と不安で泣きそうになる。
会場に行くと、Tシャツは売り切れだったものの着ている人を見て、背中に書いてあるのがたぶんメンバーだと気付く。

INUGAHOERU
by Takashi Igarashi
with
kono
yoko
joe-ko

「4ピースか」と、複雑かつ、シロップとは違うんですね、多分。切り替えよう。
対バン。
PEOPLE IN THE BOX=嫌いじゃない。
the telephones=元気よすぎてついていけなかった。ていうか始まった途端に人がなだれ込んでくるて……五十嵐目当ての客と温度が明らかに違っててわろす。
スパルタローカルズ=後半神だったがそのテンションの高さにこの後に出る人が心配になる。


犬が吠える
4人が、入ってくる。少し歓声が上がる。がっちゃんが生きててくれてうれしい。
会場のムードが、あれだけ前二組でアガってた会場が一気にお通夜に変わる。お前ら最高だ。
ていうか、女性の方が多いんですが……! ベース、ドラムの二人まで可憐な女性なのですが!
サイドギターだけが、やや体格のよい男性。te'の河野さんという方らしいのですが、浅学につき存じ上げませんでごめんなさい。
挨拶、というかMCはなしでいきなり曲に。
とはいうものの、始まってみる、と。
五十嵐は繊細さもなく、ガシャガシャとコードをかき鳴らしていく。わりと曲調は明るめである。
「歩きだそうぜ 歩きだそうぜ 歩き出そうぜ」
っていうか、五十嵐ギターはコードしか引いてないし、かといってサイドギターはソロを引くでなく、音響系でごわごわ言わせている。歌は、何故か上手くなっている気が。が、音程をちゃんと取るとかって五十嵐さんに求めてないのですがね……。
とはいえシャウトではグッときてしまうのは惚れた欲目。
二曲目からは、歌詞はネガティブになったものの、曲調は似たような感じで続く。
「やりたくないことばかり やらされてきた」
「いつになったら君を愛せるのだろう」
「生きてるだけで 晒しもん 晒しもん」
「参加賞貰いましょう そんなん嫌いでしょう」
どうも、轟音を奏でるサイドギター含め、ギターはシュウォシュウォガジャガジャするばかりで、メロディはキャッチーでないし、聴き取りたいのに歌詞はちゃんと聴き取れないし、曲調は似たり寄ったりだし、
と、そこで、あうー。そろそろ気付く。
シューゲイザーがやりたいのか。これシューゲイザーバンドなのか。
個人的には、五十嵐さんの曲のというよりシロップの、3ピースで生まれる音の抜き差しからくる切羽詰まった緊張感、それに被さる美しいメロディとかコード、共感できる詞とかが全てだったので、とにかくずっと轟音が鳴ってるようなこういう音楽は求めてなかったのです。
そして、楽曲を真剣に聴いて。
あー。気付いてしまった。
全然ときめけない。どうしよう。
五十嵐が生きようと思ってくれて、音楽を続けてくれているだけで嬉しいし、メンバーも恐らく、スタジオミュージシャンの方々なのかな……(流石に纏まりは欠けるが)演奏力があるのも解るのだが、
心を掴まれない。どうしよう。
死ぬまで、愛してやれると思っていた。でも今回のバンドに、全然ハマれないような予感がムンムンしてきた。
そんな自分が鬱になってきて、つらくなってしまった。


6曲ほどをこなして、「これで終わり?」ムードの中、アンコールもない終演。
ショックで帰途につく。
これが本当に彼がやりたいことならば、それでいいですんけど……。
たぶん、本当にシロップを愛している人ほどきつくなる気がする。変わらないものがないとしても時間はかかると思う。
11月に東名阪でツアーをやるらしいです。あんまり積極的に観に行きたいと思えない自分がいる。どうすればいいんだ。