the last day of syrup16g

the last day of syrup16g [DVD]

the last day of syrup16g [DVD]

うわー……
ついに来てしまったよ。
解散ライブの、武道館の、DVDです。
十字架だけ書かれたシンプルなパッケージが、まさに棺桶のようで、悲しくなる。
五十嵐さんは、棺桶をみんなに分配してくれたんだな。
初回限定版だけバックステージの記録されたDISC3つき。


せっかくなので、いま観れないと一生観れないので、本編DISCを掻い摘みながら観て、DISC3を全部観た。
あぁ……
オープニングから、開場の段階で、観客の着ている服が全部喪服に見えてくる。
しかし、本当に僕らの気持ちとしては、告別式みたいな、しかしシロップのライブであって、その日が来て欲しい気持ちと来て欲しくない気持ちがせめぎあっていたのだ。みんな多分同じ気持ちだったんだろうな。
ライブが始まると、もう泣きそうになってしまう。


消えてしまいそうな、五十嵐さんの声が、あの瞬間からずっと燻った煙のように残っていた。
相変わらずミスも多いし、ギターも覚束無かったりする。
しかし、その曳煙が、弱々しげでなかったら、僕はあなたを愛していなかった。
いつか来るこの日のことを思って、僕らはあなたの歌を、鼓動に重ねていたのだ。


シロップの歌だけは、「聴く」と言うよりも「向き合う」という感覚が強すぎる。
だから、ずっと特別なんだろう。
あと、もっと言いたいことがあるが、とりあえず今は言葉にできない。
「ありがとう」を言う相手さえいなくなってしまった今は、郷愁の念に浸っても帰る場所がないので戸惑っている。