ファンのみぞしる神曲をあげるよ(Muxtapeつき)

ファンのみぞ知る名曲・神曲をあげていくスレ:VIPPERな俺
http://news23vip.blog109.fc2.com/blog-entry-1223.html


このスレをnarukamiさんとこで知って、似たようなのが見たいとのことだったのでついカッとなって自分もやった特に反省はしていないバールのようなもの(みつを)。
といっても、本当に「ファンのみぞ知る」にしたいなあ、ということで、

  • シングルCWのみ
  • もしくはアルバムでも影が薄い
  • あるいは入手困難

みたいな切り口から書いてみたよ。となると自分がそこまで深く入れ込んだアーティストは自然と限られてくるわけで。とりあえず5曲です。


あ、あとそんなコンセプトだけに、音源が聞けないと良さも伝わりにくかろう、ということで、Muxtape(ストリーミングで音楽共有したりするサービス)に曲をあげてみたりしました。よろしければご試聴しながら読み進めてみてください。
http://sunagi.muxtape.com/


まず、narukamiさんとこでも出たように、ユニコーンにはリアルタイムでないくせに僕も思い入れがあるので、名盤すぎる「パニックアタック」から、アルバムのみに収録のこの曲を。

1.UNICORN - SHE SAID

いやー、イントロからがっつり持ってかれるねー。
この辺の民生のメロディーセンスは神。っていうか「パニックアタック」のおちゃらけぶりとシリアスぶりの渾然具合はもうたまりませんね。ギャップ萌えか。
音楽的な話で言えば、最後のサビをマンネリにならないよううまいこと2回しで処理して溜めて溜めて、最後の音で曲中での最高音に達するというカタルシス溢れる展開は、ベタですが最高すぎる。
あと、この曲は、Bメロで3パートハモリしてるんですね。よって、カラオケなんかに入れちゃったりした暁にはどこを歌えばいいのか解らなくなるというお墨付きです(誰の)


ついでなので続いて民生ソロの隠れた名曲を。シングル「The STANDARD」のCW曲。

2.奥田民生 - 夕陽ヶ丘のサンセット

いやあ、民生老けちゃったねえ……という感傷はおいといて。この貫禄を幸福と思え。
決してテンポが速い訳でないのに昂揚感溢れる佳曲。スピードが速いだけがロックじゃないんだぜ! 「イージューライダー」系統の、彼らしい暢気な青春ぽい歌詞も、かなり好みな感じです。
共同作曲したアンディ・スターマーのドラムの刻みも鬼。このドラミングと、絶妙にハモるコーラスワークが昂揚感のカギという、経験を積んだ人間にしか作れない楽曲。ちなみにA面の「The STANDARD」がまったく売れなかったため、この曲の知名度もかなり低いものとなっていると思われます。個人的にもA面曲より好きだったり。


そして、この流れでsyrup16gを投下。シングル「パープルムカデ」のCWにのみ収録。

3.Syrup16g - (I'm not)by you

泣ける。
なんというかね、痛いシロヲタとして一言言わせてもらうとね、この曲ほど五十嵐の孤独感、届かないものに対する憧憬がはっきり描かれた楽曲はないんです。


「時が経つのをこうやって ただ待ってるそれだけ
 隠しきれない傷だって 消えてしまうものだって」
「悲しみを追い払ったら 喜びまで逃げてった
 あの日から僕は全力で 走ることをやめたんです」

そして「I'm not by you」(=僕はあなたの傍に居ない)の連呼……あああ 切なすぎるまじ泣くわもう泣くぞいや泣いてる
なんか男女間の切ない別れの後とかに聴いたらしみすぎて濡れ濡れになっちゃうんじゃないかな! 涙でね!
「クーデター」あたりのアルバムだと、シロップの破戒衝動とか反逆衝動が強く出てたりするんですが、この曲にはその側面はなく、ただ優しい。もはや絶叫すらすることの能わない五十嵐の声が、諦念を込めて窓を撫でる雨足のように、心の、忘れきれない場所を伝い落ちていく。
初期verにのみライブで歌われていたラストの「そばにいる そばにいく 空にいる そばにいく」の連呼(あぁ……)は、CD版では消え去り、「過去は抜かれていく」に変わっている……。
ああもうこの辺はもうファンの中でもさらにディープなファンにしかわからないことで、シロヲタとして愛さずにはいられない。っていうかがっちゃん大好きすぎてしぬ。
あとミュージシャンの視点から言わせてもらうと、この曲はほぼ毎曲カポを使用するシロップの曲の中でもあまりない6カポ仕様となっています。それ故に余計な低音が入ってなく、ベースラインの良さ、ギターの儚さが際だっているのです。ベースラインにも注目してみてください。


で、次なににしようかなーやっぱ電気グルーヴかなーとか思ってたけど、ふと考えてこっちにした。石野卓球の他アーティスト初プロデュース作品。シングルもアルバムも入ってるけど、卓球ファン以外には影があまりに薄いということで。

4.篠原ともえ - チャイム

卓球の篠原ともえプロデュース曲といったら「わーたしはウルトラリラックース♪」とかのおちゃらけテクノが有名だとは思いますが、最初期には、ガチでドラムンベース風の曲とかを作ってたことも忘れないであげてください……。
音色の重なり方、凝りに凝ったドラムパターン、単調と言われがちなテクノ楽曲を上手くJ-POPに消化しようとする卓球の貪欲かつ巧妙な手腕……あらゆる点で近年のプロデュース作品群とは力の入れ具合が違うと感じられます。こんな情熱帰ってこないかなあ。


さあ、最後は洋楽です。NIRVANA。オリジナルアルバムには入ってません。

5.NIRVANA - Verse Chorus Verse

数年前までは、ブートレグでしか聴くことの出来なかった超名曲。現在はボックスセットに入ってるそうですが。
なんでこんな単調なリフとコードで鳥肌立つほどかっこよいんだろう。メロディーも、なかなかできそうでできないよ、こういうのは。NIRVANAが3ピースバンドであるがゆえに生まれた、隙間の奥のリベンジ。このメロディーにこれだけの憤懣、諦念、やるせなさを込められるのはカートだけです。
ギターソロも、単体で見た時に、カート・コバーンキャリア中で一番いいギターソロ弾いてるんじゃないかと勝手に思う。


ということで、ファンでないとあまり知られていないであろうみぞ汁5曲を紹介しました。そして僕もやはり皆さんのそういう話が聞きたいものですね。で、こういうコンセプトの曲群はことごとく手に入りにくかったり視聴しづらかったりするので、是非Muxtapeで上げてね。いや、良かったら買うからさ……ほんとに。