クローバーフィールド

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1の日だったので映画館に観に行った。
これが大正解っつうか、この映画は映画館で観ないと意味がないかもしれない。ビデオだと意味ない。
笑点を観覧しに行って大喜利を観ないぐらい意味がない。
問題はあまりいい席だと嘔吐する危険があります。僕も絶対大丈夫だと思ってたんだけど、ちょっと気持ち悪くなった。補って余りある体験ができるので、それでも劇場で観ることをお薦めしますが。


内容を秘すべきか悩むので、以下は軽くネタバレしてしまうことを前提に語ります。



まあ、ジャンルは怪獣モノになるんだけど、なにが斬新かって、「一般市民」の視点でずっと進行する怪獣モノなんですね。つまり全編ハンディカム、素人撮影のホームカメラ(風演出)。それ故、画面として軸がブレて気持ち悪くなったりします。びっくりした。ぶれる視点の中、ちょっと見えたり、映ってたりする異形の大怪獣の怖さは、斬新の一言です。CG技術の進歩によって初めて可能になった代物ですよなあ。
え? 「サイン」とか言う映画でもハンディカムで怪獣が出てきたって? 何言ってんの、あれは人だよ。ちょっと黒いだけのただの人だよ。
さて、子供の頃見た特撮モノで、ウルトラマンとかが闘っている時、「ああ、あの下では市民が押し潰されてるんだ」とかいつも思ってましたよね? 少なくとも僕は思っていたのですが。
この映画はそんな気分を疑似体験できるアトラクションです。映画というよりアトラクションと言ったほうが正しい。
従って、映画館で見る必然性があるし、ネタバレなど意味なくてまあ百聞するより一見してごらんという言い方もできる。
あんな目にあったら普通カメラ放して逃げるだろとか、そんな突っ込みは野暮天。
「キャプテンEO」でなんで最後に隕石が飛んでくるかって、その方が面白いからで意味なんてないのだ。
怪獣の足音で揺れる劇場を是非とも体感していただきたいものです。


普通のB級かと思いきや、その割に、キャラやストーリーが立ってたりするのも好印象。
冒頭のパーティーシーンで、前提としてキャラ紹介とシチュエーション説明を回収しているのは、作り手の視点で見て、巧いなと思った。
中でも「撮影者」のKYぷりは最高で、あのキャラは素晴らしい。撮影しながらあんなこと吹聴して回るとか笑うわ。空気嫁誠死ね
いや、うん、それであの設定は本当に、「その手があったか」って感じです。切ないね。僕はああいう「形のない切なさ」、みたいなものが大好きだ。


だから、できるだけ劇場で観て、それが叶わないなら家庭でも出来るだけ大画面と良質な音響で観てください。
それでこそ本当にこの映画を鑑賞したことになります。吐くようなら出てもいいから!! だ、出すのはどうかな!?