翌日


解散。あんなセットリストで、あんな顔で演奏されて、あんな演出で見送られたら、認めるしかないじゃないか。
ほとんど文句がないくらい過去曲を総決算してくれて、最後には「まだあの曲が残ってる」から、「あの曲もこの曲も演ったから、もう、終わるんだな」に変わっていって。
Rebornの、後奏で、照明が一気に明るくなった瞬間、あれは凄かったな。
会場に居た全員が幻想から手を放した。放さざるを得なかった。恐らく、演奏していた彼らでさえも。
一緒に観ていた人たちも、終演直後にはほとんど言葉はなかった。


もっと大げさに泣いたり、悲しくなったりするのかと思ったけど、まあさくらやイマジネーションではちょっとアレ具体的に言うと涙腺とか目の汗とか来たけど、最後には終わってしまったということの虚脱感の方でいっぱいで。
あとこれはどうでもいいことですけどグッズ売り場に14時半から会場まで並んだのにほんと自分の直前になって全部品切れになったのとか恨んでないですよみんなもシロップ大好きだもんねええほんとどうでもいいですよあーどうでもいいな!
本当に失ったことに気付くのは、当たり前の物が消え失せたことに気付く翌日からなんだよな。
でも、思ったよりは、平気。生きていこうと思える。もっとお葬式になるかと思ったけど、決起集会みたいで。素晴らしい夜でした。
syrup16gというあのアレですよね言葉は直接ですがメンヘル風味まんたんなバンドの終わり方としてはすごく良かったんじゃないかな。まだ自殺者の報も出てないし。いいことだ。
とは言いながら今日も遅死のDVDとかだらだらかけてる自分はなんだ。


夢は君の中で永遠に生き続けることさ


うん。永遠に生き続ける事を確認したから。
「プレーヤーから明日が聞こえる曲をいっぱい書いたので、たまには聴いてやってください」
だっけ。いい言葉だな。
「俺は明日生きてるか解んないけど……」
と言った五十嵐には「生きろよ!」と会場の全員が心で突っ込んだけど。


一万人以上、いたんだよな。
武道館が埋まってて、良かった。みんな、愛してたんだな。


何を言っても、言葉では足らないのであまり言いませんが、


これはこれで青春映画だったよ 俺たちの


生きていきます。大丈夫です。
働くよ。だからがっちゃんも少し休んでもいいから働いてください。
みんな死ぬなよ! な! 昨日より今日が素晴らしい日なんて当たり前なんだからな!
うわー嘘くせー


 
 <追記>
MUSICA編集長 鹿野淳の日記より(via.http://d.hatena.ne.jp/hologram/
http://www.fact-mag.com/diary/2008/03/01.html

 五十嵐に「歌わなくても、バンドをしなくても、曲だけは作るのをやめないでくれ。君の曲がこの地に放たれるのか否かは、この国の音楽の価値にかかわることだから」と話しました。そのとき、彼はぐんにゃり立っていた体をまっすぐ伸ばして、「はい」と答えました。それだけを伝えときます。

がんばれ