意識より愛を込めて

SFマガジン4月号を購入。
伊藤計劃さん(『虐殺器官』)と円城塔さん(『Self-Reference ENGINE』)の両名の新作が載っていると聞いたので。
で、伊藤計劃さんの短編「From the Nothing, With Love.」。
これがすんばらしかった。
イーガンにしろ、ロミオにしろ、ハードSF+アイデンティティ、みたいな作品がおれは好きすぎる。
ブレードランナー(原作はディックだけど)とかも。
この短編、『虐殺器官』より好きかもしれない。
書き出しが、これまた近年稀に見る名書き出しっぷり。
「例えるなら私は書物だ。いまこうして生起しつつあるテクストだ。」
んもう大好きです。
繰り返し追奏されるこのモチーフが、同じ言葉なのに、どんどん悲しくなって。
「With Love」は普通の英語の慣用句表現として用いられてるわけなんですが、本当に愛であるとしか思えなくなってくる。相手を渇望しているのだものな。ラブレターだよな。だけど届かないことが解っているという、それはどこまでも悲しい愛であるよな。意識からの、最後のラブレター。読み終えてから、タイトルで「無からのラブレター」と、メタ的に変換されていたことに鳥肌が立った。


ついったー部の伊藤計劃部にも入ったよ。
同じ伊藤計劃さんの『The Indeference Engine』の収録されたSFマガジンのバックナンバーって通販でしか買えないのかな。探してみよう。
あと、伊藤さんのブログの、『見どころはナイスボートです。』というのはよく分からなかったんだけどどういうことなのかしら。スクイズネタあった? それともただの他愛もないジョークかしら。


円城塔さんの銀河帝国ネタ100連発(タイトル書くのめんどい)は、ちょっと勝手に期待し過ぎてしまっていたかなあ。新作の小説が読めると思っていたので。
なんか、ブログで書かれてたら確実にブクマしたりスター付けたりするような、面白さではあるんだけど、うん、そういう意味ではSFマガジンよりもファ文向きの作品かもしれない(笑)


体調があんまり良くないです。風邪ぶり返したかな。ブリスター
最近創作のインプット:アウトプットが9:1ぐらいまで落ち込んでて困る。