続・殺戮のジャンゴ 地獄の賞金首(邦題) ガンマン心得その1

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win98が対象OSでなかったので、不安だったが、何の問題も無く起動。
2時間ほど遊び、いま最初のバッドエンドまで進めた。


おーもーしーろーいー!


はっきり言って、僕は虚淵玄という人の文章が好きだ。
描写が上手いとか、まあ確かに身悶えするほど文章も上手いのだが、そういう技巧のレベルではなく、一文一文に鋭利な刃物で刺されるような喜びを感じられる作家というのは、そうはなかなか居ない。
なのに、この作品はそんな虚淵さんの「書きたかったもの」が、水を得た魚のように縦横無尽に躍動して、モニタから溢れ出して来ている。虚淵信者としては、これに昂揚し、歓喜に震えずにはいられようか。


この作品の基本コンセプトは、マカロニウエスタン、それにほんのりSFをまぶしたピカレスク活劇である。
それも、既存の作品のアンチテーゼとして申し訳程度にヒーローにダークサイドが混じっている、どころの話では無い。
登場人物はほとんど女性なのだが、揃いも揃って、救いようのない(死ねばいいのに、と思うほどの)悪党だ。
台詞には、汚い言葉しか出てこないし、開始五分での陵辱シーンには笑わされた。この世界において「ビッチ」は褒め言葉である。
この作品に漲っているのは、近頃流行の「純愛」路線を唾棄するかのように、テストステロン駆け巡るまま振るわれる暴力と、欲望のままに蹂躙される性欲と、一攫千金を夢見るロマン。それだけ。
だが、それだけに特化した作品が、面白くないはずがない。
マカロニウエスタンという、「流行なんか知るか!」とばかりに他のメーカーには見られないモチーフを、虚淵玄という稀代のライターが料理した、ニトロプラス+18禁でなければ堪能できない珠玉のエンタテインメントがここにあります。おもしろいよ!