燃える!お兄さん

諸君、隠さずに言おう。私は「燃える!お兄さん」(1987-1991)というギャグ漫画が大好きだ。連載時には3歳〜7歳。この多感な時期にリアルタイムで嵌っていた。大好きで大好きで、コミックスがすり切れる程読んで台詞も暗記した。そう、この漫画「用務員さんをバカにしてジャンプ回収」騒ぎを起こした事で有名な漫画だ。
だが差別ネタだけじゃなく、下ネタ、麻薬ネタなどがふんだんに盛り込まれた、少年漫画史上で最もヤバい漫画だと未だに思っている。おおらかな時代だったから許された、絶対に良識のある人はしかめ面をする描写が多々ある漫画だ。だが私は、幼少時にガブガブとこの美味な猛毒を飲んで、何度も何度も体内に染み込んでしまった。自分で作品を作るときでも、ギャグの間の取り方、落とし方などに確実にこの作品の血肉が染み込んできている。
こういう人間になってしまった責任はこの作品も5%ぐらいは背負っていると思う。だが、しかし。それでは、世間にロリータを広めたナボコフは犯罪者であり、作品は焚書されるべきだったのか? そうは思わない。名作文学である。世界から毒が消えてしまったなら、つまらない創作しか出来ないのではないかと思う。 だから、この作品は言葉がきつかったり*1、事細かにヘロインの注射法WP教えたりしてるん*2ですが、
そんなの、関係なく、腹が痛くなるほど笑える漫画で、自分のバイブルで、はちゃめちゃで、ナンセンスで、狂っていて、暴力的で、どぎついスカトロで、 もうそれだけで、大好きなんだ!
これから読む方は、回収騒ぎとかそういう先入観とかを持たずに、偏見にとらわれずに、見て頂きたいものです。猛毒を原液のまま出してくれる、すごい居酒屋があるんだ。そこで出してくれる酒は、二十年以上、酔えるんだよ。

*1:「デブ 人間のくず デブ 人間のくず デブ 人間のくず デブ 人間のくず」

*2:粉をまずスプーンの上で炙って溶かせ! それを動脈に注射するんだ!