センターの中のひとはちょっとおかしい。

1月になり、世間では受験シーズンですね。
僕は毎年この時期になると、趣味かつボケ防止として
新聞に掲載されたセンター試験を解いてみるというのをやってるんですが、


近年、国語の問題がヤバイです。
そもそも、去年のセンター国語・小説文の萌え具合が異常だったんですね。
松村栄子の『僕はかぐや姫』という小説からの出題だったのですが、
出だしから受験生たちを阿鼻叫喚酒池肉林の萌え地獄に陥れました。


 '06年センター試験国語
彼女たちは二人とも文藝部員で、自分のことを「僕」と呼んでいた。
これを読んで、後の問い(問1〜6)に答えよ。(配点 50)


 ぼくに与えられた
 ぼくの一日を
 ぼくが生きるのを
 ぼくは拒む

いきなりの文芸ボクっ娘属性が二人組です。おせちもびっくり重箱仕様。
そして、唐突にまるで某泣きゲーの冒頭を彷彿させるかのようなポエミー改行平易文。
もちろん属性あますところなく、この後百合要素も含まれています。

「<二十億光年の孤独>を読んだ?」
「・・・・・・うん。泣いた、僕」
キルケゴールが・・・もちろん読んだって半分もわからないんだけど・・・・
本を開いただけで苦しくなって・・・・・」
「<死に至る病><わたしにとっての心理>・・・僕らをひとことで殺す文句だ。」

思春期の多感
高まるボルテージ
受験者もひとことで殺される
萌エロの精緻極まる文章

ふたりは、ふたりであるがために身をこわばらせて黙り込んだ。
目を逸し合いながら、互いの胸がヒクヒクと震える音を聞いていた。
その震えの中に、ありがちな自己陶酔のうねりと、高潔な魂を気取る
虚飾の顫動<せんどう>とを同時に認めていた。

(;´Д`)これなんてエロゲ
と萌えて萌えて問題どころではなくなった当時の受験生。
 http://nantara.blog73.fc2.com/blog-entry-285.html


そして「難化」「易化」ならぬ「萌化」の潮流を踏まえた今年のセンター国語小説文。
期待を裏切りませんでした。


 '07年センター試験国語
父の死後、老いた母との二人暮らしで心寂しくなった絹代は、
自宅の二十畳敷きの板の間を独身女性に限定して貸し出すことにした。
以下の文章はそれに続く場面である。これを読んで、後の問い(問1〜6)に答えよ。

絹代! 昭和エロスだ!
以下あらすじにまとめたので最後までどうぞ。

板の間は独身女性に貸し出し始めたものの、半年以上も売り手が付かなかった。
そこに四十代後半の中年男性、陽平が現れる。
男の方にはお貸しできないんです、と驚く二人に、
陽平は、「それはもう、うかがったうえで、やってきたんです」と、
まだ二十代だった絹代の顔を恥ずかしくなるくらい見つめ、
「昔からの夢だった書道教室を開く決心を固めて、会社を辞めた。
できるならば、お宅を教室として貸していただけないものか」、と続けた。
道教室として体裁を整えた絹代の家はすぐに子供の笑い声の絶えない賑やかな場所となったが、
いつも絹代の目に入ったのは真っ直ぐな背中で墨を擦る陽平の姿だった。
陽平の過去、そして未来を知りたい気持ちを押しとどめることができなくなった絹代は、
日夜教室の後に陽平と古いアルバムを開き、お互いの顔貌を見つめ合う。
そして、母が死んだ翌年の正月。書き初め大会が開かれ、
おのおの自分の好きな四文字の言葉を書き、今年の抱負を述べることになる。
その席で陽平は「絹への道」と書いた紙を掲げ、
「シル、ク、ロードです、これが、ぼくの、今年の、抱負です」
と宣言し、その言葉の示すところに気付いた絹代は頬を赤く染める。
養蚕の思い出がまとわりつくあまり好きでなかった名前を、陽平さんは、
あたたかい、人肌に触れるために生まれてきたなめらかな布地に、変えてくれたのである……

40代後半で20代妻。
墨の匂いの残る放課後の書道教室。
あたたかい、人肌に触れるために生まれてきたなめらかな布地……。
今年も言えます。
これなんてエロゲ


やはり今年も問題どころじゃない受験生

36 名前: 大学への名無しさん 投稿日: 2007/01/20(土) 22:53:52 id:wAGYjbG40
おかーちゃん死んじゃったし、絹代は陽平とズコバコし放題かぁ・・・
でも、絹代が20台なんに陽平は40台、陽平マジヤバス
55 名前: 大学への名無しさん 投稿日: 2007/01/20(土) 23:15:34 ID:cu/1aKH30
ばーちゃんを殺したのは陽平
60 名前: 大学への名無しさん [sage] 投稿日: 2007/01/20(土) 23:33:33 ID:4rjrato80
そうしてみると、「絹への道」のニュアンスも変わってくるな
84 名前: 大学への名無しさん 投稿日: 2007/01/22(月) 01:05:58 id:UgC1lfPcO
絹への道で大興奮した奴挙手w

個人的には今年の小説は去年の萌え方の比ではありませんでしたが、この分で行けば
センター国語小説文があらゆる萌えを網羅するのも遠い話ではありません。
この調子で担当者は来年以降も受験生を萌えさせ続けて欲しいと切に願います。