「赤朽葉家の伝説」／桜庭一樹

赤朽葉家の伝説

ぜんぜん心に響かなかった。
桜庭一樹ランキングで、自分の中で相当下の部類。正直がっかりさえした。
大河的な要素で言うなら、二代しかなくても「少女七竈」の方が広がりを感じられたし、感動した不思議。
三代に渉ってるにも関わらず「血の繋がり」を感じられなかったと言うか……そして「少女七竈」や「砂糖菓子の弾丸」に比べて、作者の言いたいことが伝わってくる度合いが薄すぎた。惰性で書いたような。これは明らかに、衝動に突き動かされて書いた作品ではない賞狙いの作品だというのが透けて見えてなんだかな。
あと、サンカね。サンカについて調べたんなら、もっと細かいとこまで書けい！！！
サンカとか製鉄とか、美味しすぎるキーワードなのに、物語へ出てくる必然性を感じないぞ！
結論も、飛躍しすぎ、後付けの無理感動しいにすぎない。この経緯じゃ、全然ビューティフルワールドに思えないよ！
特に「これはないわ」を一番吐いたのが第二部。そんなうまく行く訳ないだろ！
序盤で引っ張った伏線の回収にも、カタルシスがまったく無い。
三代に渉る物語を読まされて、残ったのは徒労感だけ。
これが推理作家協会賞じゃ、直木賞のやつのにも期待できないな……。
これを読むなら「少女七竈」をあと三回読み直します。