あの頃「テキストサイト」を愛していたすべての人に捧げたいライトノベルがあります。『天網炎上カグツチ3』、本文一部公開。

こんにちは、ライトノベル作家の砂義出雲です。


私は『天網炎上カグツチ』というライトノベルのシリーズを書いておりまして、題材は「インターネット」の諸々となっております。
各方面でご好評いただいてます。ありがとうございます。
今週金曜日、その最新刊、3巻が発売になりました。

この作品、1巻ではネット炎上、2巻ではリベンジポルノ、デスブログ、承認欲求などを題材に取り上げてきましたが、
3巻でひとまず区切りをつけることにしまして、さしあたって締めに相応しい題材の一つとして、とある念願の題材を扱うことにしました。


その題材につきまして、内容をお伝えするのに言葉を尽くすより、本文を一部引用した方が早いかと思いまして、
私に著作権のある文章ですし、今回ここに内容の一部を抜粋して宣伝させていただきます。


以下、本作「第二話」、本編からすると「過去編」にあたり、「西暦2001年」が舞台になっている、冒頭部分になります。
そんなに長くもないのでよろしければお読みください。

天網炎上カグツチ3   カグツチ/GROUND ZERO』(抜粋)


 少年は時計を凝然と睨み付けたまま、ピクリとも動かない。
 その時が来るまであと、五分。やがて、短針は十一、長針は十二に重なり――。
「……回った!」
 午後十一時。『テレホーダイ』が始まる時間だ。
 少年は慣れた手つきで回線を電話機から引っこ抜き、モデムへと差し替える。


 当時、インターネットへの接続は電話回線を流用するのがまだ一般的だった。
 普通に使うと、接続料だけで三分十円。
 よって、電話回線の通話料金が定額になるその時間帯こそが、インターネットユーザーにとってのマジックアワーだったのだ。


 少年は逸る気持ちを抑えて、深呼吸してから『接続』ボタンにカーソルを合わせ、マウスをクリックする。
 そして、耳を澄ませて福音を聞く。
 自分を異世界に誘(いざな)う、魔法の旋律を。


 ポピピポピピポピポパ。ビーガガガポピーポピーウィンウィンウィンガガガガーガーガー。


 非日常感と、未来感と、期待が綯い交ぜになったような独特のパルス音。
 今夜もネットサーフィンの始まりである。


   *  *  *


 九十年代後半から○○年代前半ごろにかけて、この国にはテキストサイトという文化が存在した。
 当時はインターネットの回線速度がまだ貧弱で、画像を一枚表示するのにさえ膨大な時間がかかっていた。エロ画像を表示しようと思って数分放置して待ってたら、下半分が実はグロ画像になっていて腰を抜かす、みたいな悲喜劇が日常茶飯事だった。よって、ネット上でやり取りされる情報は自然とテキストベースになる。
 そのため、ネットで何かを表現しようとする者たちは、「歌ってみる」のでも「踊ってみる」のでも「ゲーム実況」でもなく、「文章」の力だけで人を魅了することを目指した。


 ホームページという文化は現在でも残っているが、その中でも特にテキストによる「芸」を中心に構成されたホームページ。それが『テキストサイト』だった。


 とりわけ二○○一年は、テキストサイト史においても重要な年であるといえる。
 この年、ネット界には、『魂侍』、『バーチャルネットアイドル・きゆ12歳』といった、カリスマ的人気を誇るテキストサイトが相次いで開設される。
 それはまるで、ビッグバンだった。あるいはカンブリア紀の生命大爆発のようだった。
 次々と彼らのスタイルを真似たテキストサイトが誕生し、人気を博していった。
 テキストサイト文化が一気に花開いたのだ。


 そして、ここに一人の少年がいる。
 一九八四年生まれで、娯楽も少ない地方に住まう高校生だった少年は、その洗礼を直撃で受けた。


 衝撃的だった。この世界の裏側には、別の価値観で動くもう一つの世界があるのだ。


 ある者は上司と喧嘩して無職になった顛末を面白おかしく書き綴り、ある者は二次元キャラクターとの新婚生活を克明に描写し、ある者はストーカー騒動に巻き込まれたことをユーモラスに表現していた。


 まだ高校生の自分にも想像が付く。この人たちは、たぶん世間一般的には「悲惨」と思われるような人生を送っている人たちだ。だけど、そんな人たちでも、ネットの中ではヒーローになっていた。


 年齢も、性別も、地位も関係ない。ネットでは、ただ文章が面白ければ、輝ける。


 現実世界では友達もあまりおらず、もちろん女の子とも話ができず、運動もできず、自分には何もないと感じていた少年にとって、その世界に憧れることは必然だった。
 猥雑で、面妖で、選民的で、その他この世のあらゆるドロドロしたものが詰まった世界だったことも、魅力の一つだった。


 そして、少年は先人に倣い、少しずつでも自分の妄想をテキストサイトにすることを始める。
 まず父親の契約していたプロバイダーから、空いているHPスペースを借用した。
 HTMLという言語の本を図書館で借りてきて、コマンドを写しながら手で打ち込んだ。
 『テキストサイト』文化の特徴は、「フォントいじり」と呼ばれる技術によって、フォントサイズや色を変更し、行間をたっぷり取って「間」を大切にすることだ。
 フォントの色を変える以上、背景は単色系などシンプルなものが好ましい。
 そうして数時間苦闘した末に、ようやくネット上から自分のホームページを初めて確認できた時には、涙が出るほど感動したものだった。


 構えたキャンバスは広大だ。
 だが、少年にとって、書くことはたくさんあった。
 現実には、つらいことがいくらでも押し寄せてきたからだ。
 つらいことがあればあるだけ、書くことはある。
 日常を、いかに面白おかしく表現するか。
 もちろん、最初は習作である。
 好きだったサイトのスタイルの模倣にすぎない。
 だが、少年はとにかく書いた。
 生きるために、文章を書き続けた。
 学校では、空気のような存在。いなくてもいい人。
 だけど、ネットの世界では確かに存在することができる。
 僕を見てくれ。僕の話を聞いてくれ。
 世界中のみんな、僕はここにいる。そう叫ぶように、キーボードを打ち続けた。
 誰かに楽しんでもらえるなら、自分の存在価値を生み出すことができる。
 そうやって、映画評も、漫画評も、音楽評も、偏ること無く載せた。
 書きたいという気持ちさえあれば、すべてがメインコンテンツだった。


 そのうち朧気ながらも自分のスタイルが出来てきたな、と感じられるようになった。
 オリジナルの小説なども載せ始めるようになり、掲示板に「面白かったです」、そんな反応でもたまにあれば、嬉しさに枕を抱えて転げ回った。
「新作出来たんで、よかったら読んでください」
「読みました! 面白かったです!」
 その繰り返し。
 だけど少年は、それで良かったのだ。
 そうしていつか、一つの人気テキストサイトが生まれた。


 少年の名前は、高浪栄太郎。


 これから語るのは、思い出すのも恥ずかしいような青春の話。
 花火のように燃え上がった、恋の話。
 そして何より、インターネットがまだ希望に輝いていたあの時代の話だ。

……ということで、今巻中、第二話の題材は「2001年頃のテキストサイト」になります。
テキストサイトを訪問するユーザーのアクセス数を燃料にして闘うヒーローの話とか、オフ会とか、フォント芸とかです。
『魂侍』『バーチャルネットアイドル・きゆ12歳』あたりが正しく変換できる方なら、きっと問題なくご共感いただけるかと。


そして、以上の文章でお解りかと思いますが、この章が中核を成す本巻は
私の人生と思い入れがぎゅんぎゅんに詰まった一冊となります。


Twitterでこんなことを書きました。

人生全部を込めた。
決して、これは過言ではないつもりです。


昔から現実に希望なんて持てなかった僕は、インターネットに生かされてきて、インターネットでずっと生きてきました。
中にはそれを暗い人生、つまらない人生と笑う人もいるかもしれません。
でも、僕にとってインターネットは、人生で何よりも切実なものでした。
だから3巻のオビのキャッチコピーは、僕が自分で作らせていただきました。


(写真:とらのあな秋葉原店A様twitter

それが『大事なものは、いつもインターネットの中にあった』です。
この本そしてシリーズ全体で、インターネットに対する思い、その全てをなんとかぶち込むことができたと思います。


なお、第二話は過去編ですが、もちろんその時代を知らない若い方にも、
僕たちネットユーザーが命を賭けて生きていた2001年のネット界隈(あの頃)、
若者たちがどんな思いを抱いていたのか、その断片に思いを馳せる材料として、お読みいただけたら嬉しく思います。


人間、いつ死ぬか解りません。
僕の敬愛する作家の一人である唐辺葉介先生も、『電気サーカス』というテキストサイト時代を描いた作品を書いてらっしゃって、
唐辺先生は「この話を発表出来たら、こんな商売もういつ辞めたっていい」とおっしゃっていましたが、
僕もやはり自分の人生を賭けて書き残す本があるとしたら、本作だったかと思うのです。


なので、僕が死んだら結構マジでこの本を一緒に墓に入れてほしいぐらいです。現時点では。間違いなく。
少なくとも、ここまで自分を開帳した本を出すことは、今後しばらくないと思われます。


僕にとっての青春、僕にとっての全て、「インターネット」。
それをこうして、大人になった僕が形として残すことができたことに、ガガガ文庫編集部様をはじめ、関係者そして読者の皆様に感謝いたします。


ありがとうございました。


なお、先ほども申しました通り、『天網炎上カグツチ』というシリーズ自体もこの3巻で一区切りになりますので、
まだ未読の方にも、ちょうどまとめてご購入いただきやすい長さになっているかと思われます。
ここまでの語りでご興味持っていただけたインターネッター同志がおりましたら、よろしく頼むぜブラザー。
3巻はテキストサイト以外に扱った題材としても、「ネットゲーム」の話とクライマックスを含んだり盛りだくさんです。
特にクライマックス辺りの展開は、個人的に最高傑作が書けたと思っております(自負)。

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ということで、インターネットを愛する皆様、『天網炎上カグツチ』、
よろしくお願いいたします。なにとぞ。
そして、僕を育んでくれたインターネットにも。改めて、ありがとうございました。

シネマすなぎ2014結果まとめ

2014年の映画を語る&個人的ランキング付けをするニコ生
「シネマすなぎ2014」は先日つつがなく終了いたしました。ご視聴いただいたみなさまありがとうございました。
結果のみ以下に転載しておきます。いつものように個人的な評価ですのでご承知を。
今年もいっぱいいい映画が観れたらいいですね。

続きを読む

今期のアニメを雑にほめる(ユリ熊、デレマス、夜ヤッター)

忙しいし明日のシネマすなぎの準備とかもあるんだけど要望があったから
僕がほめたいアニメをほめるためにブログを書きます。あまり深く考えず。文字書きとは思えない雑さで。
今期、いくつかアニメの第一話を見まして、その中でも特に僕が好きだったり追っかけたいと思ったアニメが
ありました。それは「ユリ熊嵐」「アイドルマスター シンデレラガールズ」「夜ノヤッターマン」の3本です。


まずユリ熊嵐
これは、「ウテナ」「ピンドラ」の幾原監督最新作というだけで
もともと何を出されても最後まで食べるぞ、という気分があったことも否定しませんが、
今どき視聴者をふるいにかけるような作品を作ってくれている気概がまずいいですね。
懐古おじさんなんだ僕は。インターネット知識層のみんな、今回も考察頼むぞ(他力本願)。
なんとなく、今作は世界を革命すること(対世界)がテーマだった過去作よりも、もう少し狭い人間の繋がり(対人)が
テーマになるのではないかと考えています。
2話を見ても、また世界を理解するための補助線が増えた感じがして、
これは毎週少しずつもつれた糸を解きほぐしてくれるような快感が味わえるのではないかと期待できますね。


そして、話題沸騰の「アイドルマスターシンデレラガールズ」(以下デレマス)。
これはすごいですよー。
僕はもともとモバゲーのゲームの方もたしなむ程度にはやっていて、好きなキャラも何人かいる、ぐらいの思い入れでした。
(みくにゃん、乙倉ちゃん、南条ちゃんあたり推し)
なので過度な期待をせず、前川さんが出てきたらキャラ萌えしてやるぜー、
ぐらいの構えで見たらキャラ萌えどころかめっちゃまっとうなアニメじゃないですか!
まずオープニングから最高で(楓さんセンター!?という感動に始まり)、何度も巻き戻しコマ送りしながら、
大量に散りばめられたキャラたちを確認しましたね。スマホの制止画で慣れ親しんだキャラが動いていることに涙目になりながら。
近年のアイドルアニメって、アイカツラブライブなど、ライブシーンになると急に3Dになるのが多いんですけど、
それ僕はちょっとがっかりしちゃう派なんですよ。次元が変わることで人に作られたものだと認識してしまうというか。
その点、ライブシーンも手描きで動かしてくれるのがアニマスの最高な所です。
で本編が始まり出てきたのが、あのプロデューサー(通称武内P)ですよ。大発明!
そりゃ人気出るわって感じですが、初見時の僕は装甲悪鬼村正の湊斗さんに重ね合わせて萌えていました。
鬼に逢うては鬼を斬るといつ言い出すかと。まさかキャラ萌えをプロデューサーにするとはって感じでした。
男キャラが好感持てるアニメってやっぱどれだけ褒めても褒めたりないと思います。
で、もうこれでこのアニメは勝ってるんですが、本編中でもセリフがないアイドルは出ないのかと思ってたら、
コスプレ娘の上田しゃんが背後に映ったりして、あ、このアニメは声優すらついてないアイドルでもないがしろにしないんだ、
誰を好きでいてもいいんだ、という肯定感でまた嬉しくなって最終話まで見なきゃなって思えました。
他に感心したのは作画よりも演出面ですね。細かい演出。
公園で凜と卯月が話してる後ろに小さいプロデューサーが見えたり、空間把握がすごいしっかりしてる。
ただ背景の上にキャラ絵を載せる、じゃなくて一つの世界を構築するって簡単なようでなかなか出来てないアニメ多いんですよ。
上手下手の使い分けとかは、以下の方の記事でも少し言及してますね。

アニメシンデレラガールズもう一つの楽しみ方: さけとばらのひび
http://tlop.sblo.jp/article/111443858.html

デレマス、演出水準はほんとめっちゃ高レベルだと思います。映像的なものを扱うことがあれば必見レベル。
スタッフロールとエンディングテーマの入るタイミングもまた絶妙なんだよ。
繊細なピアノに載せて心情の変化する瞬間を描いてくれたらもう泣くじゃないですか。自動的に。
エンディングテーマの入りが最高ならそのアニメはもう最高だってシティーハンターの頃から決まってるんだからな!
ということで次回も楽しみです。前川さんが出たら前川さん前川さん言ってると思いますが。


そして最後に、夜ノヤッターマン
一番の伏兵だったというか、他のアニメ含め、今後の期待だけなら正直これが今期ナンバーワンですね。嬉しい誤算でした。
受け狙いのタイトルからネタアニメかと思ってたら、
ガッチャマンクラウズに続く、タツノコヒーローを再定義するシリーズじゃないですか!
個人的な好みだと、1話の時点で主人公の境遇がクソなアニメはその後やっぱり燃えるんです。
絶望から這い上がる物語、最高です。
そういう観点だと、最高の第一話じゃないですかこれ。
(そう考えるとデレマスの方も、既に楓さんたちがトップアイドルで、現時点だと島村さんたちがなにものでもないって構図は良かったですね)
もちろん乱暴な意見だし批判がたくさん来るのを踏まえた上で言うと、
ガッチャマンクラウズ」ってまあガッチャマンじゃなくて新作アニメでも良かったのではって
思ってるんです。
でもこれは「ヤッターマン」ありきで、ヤッターマンだからこそ描ける物語な予感がします。
のほほんとしてた世界が長年の時を経てディストピアに変貌しているって何それ、最高か。
そして歪みない悪だった者が正義として立ち上がるって、スピンオフの黄金パターンだよね。最高だ!
覆面幼女の悪役という造形のみにおいては、
「ズヴィズダー」がちょっと前にあったことで
ルックス的に斬新な感じがしないために損をしているなーとも思うのですが、
普通にドロンジョ様(9才)可愛いので、オッケーです。
また、ピンドラが扱いつつもある意味で踏み込みきれなかったテーマ、
「犯罪者の子供が親の分まで罪を背負わなければいけない理不尽」、
そこも深く描いてくれたら文句ないですね。
あとこのアニメは作画厨的視点でもめっちゃおいしいです。アニメーター出身監督さんだけあって。
公式アカウントさんのつぶやいてくれる、絵コンテ転載ツイートとか! ありがたみしかない!

この作画! タツノコ作画最高や!
そして……夜ヤッターの一番最高なところはな、OP(1話ED)なんだよ!
この1分30秒! アニメーションの快楽しかないやんけ!
OPを見ている時の僕の心の流れをコマ送りで順に追います。


おっ、成層圏始まりか! グレンラガンか! 音楽もちょっとそれっぽい! あっ、ここでタイトル出るのいいね!
ドロンジョ様が向き直るだけでこれだけ動かすか! いいな! かわいい!
海岸で立ち上がるとこ! そう、立ち上がるにも右行って左行く、この身体のブレが! 人間の動きでありアニメーションの醍醐味なんだよ!!!
憎いね、涙が零れ落ちる描写から、ドロンジョ様宙返り落ちに繋げる演出! そしてドロンジョ様着地の時に一瞬よろめく! 作画! スゴイ!
お、歌詞の「立ち止まる」に合わせて立ち止まってんのか! わかる!!!
飛びこみの泡描写すごい! 今度はクローズアップで左右に揺れる! 人間! 太陽を見つめて物憂げな表情!
シルエット内作画、一際なめらか! モノクロ、不安。不安→希望? 暗転!!!! さらなる絶望の群れ!!!!
恐れ! 敵が襲ってくるぞーーーー!
そこにいいいっ!! 下からのアングルで降りてくるボヤッキーとトンズラー! ボヤッキーだけなにげに着地失敗してる細かさ! そして……
サビだああああああああああああああああああああああああああああ!
君はシューティンスターーーーーーーーーーーー! やったああああああ超作画高速バトルだあああああああああああああ!!!!
トンズラー二回転アタック!!!
煙の中を切り裂き、いつの間にかクロスチェンジしたドロンジョ様が画面手前に向かって疾走する! スタコラサッサ感カワイイ!
囲まれたヤッターマン二体の蹴りをしゃがんで躱す! 対消滅!!!
科学者ボヤッキー、ドライバー(?)持ってなんかしてる!!! そのころドロンジョ様、しゃがんで頭打ってたのかよ! キャワイイ!!!
相変わらずパワー要因のトンズラー強い! 大きなヤッターマンによって巻き上げられるコンクリート粉塵!!! これまた神作画入りましたァ!!!
身体をくねって何か指示するドロンジョ様! 命令を受けたボヤッキー、ポチっとな! ちなみにポチっとの瞬間、三枚目顔に一瞬なってるこの小粋な演出ううう!! はいごちそうさまです爆発エフェクト入りましたぁ!
そして「フライアウェイ」でまた洋上をフライアウェイだああ! 相変わらず、外連味溢れる宙返りも忘れないぜ!!!
両手を広げたドロンジョ様の顔に光が差している!!!! 希望!!!!!
希望だ!!!! その瞳にカメラがズームアップし、母娘の約束、そしてラストカット、微笑みと共に消えるお母さんの幻影いいいいいい!!!!!


このOP完っ璧!!!
きんもちいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!!!


子供の頃、「GTO」のOPが最高だと思って繰り返し見た経験がありますが、このOP雰囲気あれに近いかなーと思いますね。
他はアレでも、OPが最高なら毎週テレビに釘付けにならざるを得ないってアオイホノオが言ってた。(時代が違う)
そんなわけで、「夜ノヤッターマン」も大勝利だったわけです。
今期は、いいアニメが多くてとっても幸せです。

シネマすなぎ2014のお知らせ

去年1年間の映画のことについて総括する個人ニコ生を、今年もやります。

シネマすなぎ2014
日付:2015/1/14(水)深夜26:00〜
http://nico.ms/lv206129955

配信枠の関係で放送は平日の深夜になりますので、生で観られない方はタイムシフトでもよろしければ。
結果は後日ブログにも載せる予定ですが、細かい選評や思い入れはこの生放送でしか聞けない予定です。


なお、顔出しの予定はありません。ストイックに映画の話だけをべしゃる放送となります。
はたして、あの注目作は、インターステラーは、ゴーン・ガールは何位なのか!
普段のTwitterよりちょっとリミッター外しめのDis芸が見られるのは(たぶん)シネマすなぎだけ!
よろしましま。

C87フロウタリウム西み06a 無料ペーパー配布

明日の告知を今日の夜ブログに載せるマンだよ。

コミックマーケット87
3日目(火曜日)
サークル「フロウタリウム
西み06a 無料ペーパー配布

無料ペーパーの内容は『最果てのイマ』二次創作SS「昏き深淵のレコグナイズ」と、例によって作者近況の両面ペーパーになります。
まあ無料なのでよろしければご挨拶にきてくださいって感じです。
よろしくお願いします!

『天網炎上カグツチ』2巻、12月18日発売します!

天網炎上カグツチ2 (ガガガ文庫)
こんにちは! 既にほぼお知らせブログですけどまたお知らせです!
2014年12月18日に、ガガガ文庫様より新刊『天網炎上カグツチ』第2巻を上梓させていただきます!
なんと今回、砂義史上初めて、中3ヶ月(8月→12月)サイクルでの出版を達成することができそうです。
もちろん、遅筆(こっちの方は遅いんだな)で知られる砂義さんのことですから、
そりゃえらい大変だったわけです。死ぬかと思ったわけです。夏頃には体調を崩して入院なんかも挟んだしね。
恥も外聞もなく『褒めて!』って言いたいくらいです。
しかし、バリバリやってるラノベ作家はこのサイクル(以上)でみんな延々頑張ってるのか。
ライトノベル作家ってすごいよな……最後までチョコたっぷりだもんな……。
って思うと、僕なんかほんとまだまだだって思いますね。
ラノベ書きっていうかもうランドセルです(まったく上手くはないが、ひよっこ的なニュアンスかと思われる)。
そう、小学生が危険に遭遇した時には身を守る助けになるつもりだよ。


さてさて、そんな『天網炎上カグツチ』2巻の内容についてですが。
何人か新キャラが出たりします。
一番の推しは、表紙にもなっております、ロシアっ娘ちゃんですね。
この新キャラには筆者の中の三大……とまでは行きませんが一つの大きな欲求になりつつある
「ロシアっ娘かわいい! ロシアっ娘とイチャイチャしたい!」を前面に押し出しました。ハラショー! スパシーバ!
女の子ってかわいいよね!(魔王顔)を強めに出したということで、筆者としては
昔寄生うんたらという萌え強めラノベを書いていた頃の感覚を取り戻しながら書いた気配がします。


 で す が……


とはいえこの小説は
『ネットの闇と戦う』ライトノベルですので、
そういうことをメインテーマにしていかなければならないのです。


ということで発表します!
今巻の(インターネッター[のみ]大注目の)ネット的テーマは!


「リベンジポルノ」
デスブログ
「承認欲求」


の三本になります。(サザエさん予告調)
どう調理しているかは実際に読んでいただけたら、ということですが……。
なんだか、ネットの闇は闇でもどんどん深い闇に突っ込んでいて、
得する人が少ない題材に身を寄せている悪寒がします。うん。
暗闇のヘアピンカーブに向かってフルスロットルしてる感じだね。
人生まるごとそんなもんだけどね。
しかし僕は例えこのシリーズの難易度設定がライトを越えてしまっても
一つの使命感を持ってやらせていただいております。
それは、後世を生きる人のためにネットユーザー的僕の思想、経験全てをこのシリーズにぶち込むんだ! という気概。
「右ストレートでぶっ飛ばす まっすぐ行ってぶっ飛ばす」的迷いのなさ。
いずれ「僕が死んだ時『カグツチ』シリーズを墓に一緒に入れて欲しい」と胸を張って言えるようになる予定です。
お花の代わりにカグツチの文庫本で棺桶をいっぱいにしてもらうんだ。(ただの不良在庫処分の可能性あり)
ビビれ、墓石泥棒!
よろしくね、『カグツチ』2巻!!!!(まだの方は1巻もよろしゃす!!!!)

あと、まったく余談なんですが、
本編中で「ハリウッドで今夏制作された怪獣映画の人気にあやかってその怪獣映画の日本版を再始動させるぜ!」
って内容を無邪気に書いたら、
そのしばらく後に現実世界でもそんなニュースが報道されて、
「あ、俺予言者として目覚めてしまった」と思いました。
とはいえ、内容は恐らく似ても似つかないものにはなっていると思いますので……
どうなってるかみんな、よかったら目視で確認してくれよな。


ガガガ文庫公式ニコ生であるガガガチャンネルも当日はあります。
毎回やらかす人なので、今回も出させていただけるかは確約はできませんが、
よかったらご試聴なりタイシフなりコメなりよろしくお願いしますね。

月刊ガガガチャンネル vol.42


最後に、砂義個人の話ですが、冬コミでは『3日目西み06a』にスペースを頂いておりますので、
ご希望の方は砂義氏の生存を直接確認することができます。
元気でいられるなら! 元気でいられるなら!
「リアルは地獄!」ってリズムに乗せて言われたら、たぶん「リィアルイズヘェル」って答えるよ。
これは時間があったらまた改めて告知をするかもしれません。シネマすなぎ2014の告知と合わせて(含み笑)。
そんなわけでもろもろよろしくちゃんでございます。


なんだか、夏の時とほとんど一緒の更新内容になってすいません……。(更新してなさみ)

『天網炎上カグツチ』1巻 SLN(セルフ・ライナー・ノーツ)(Twitter転載)

ネットネタ小説ということで、人によっては何かと解りにくい箇所のあるかもしれない作品の、コメンタリーというか解説みたいなものです。
Twitterにアップしたものを、保護のために一部修正の上、当ブログに転載しておきます。

天網炎上カグツチ SLN(セルフ・ライナー・ノーツ)
8/21
Part 1(P1〜80)

  • P11 L7 いきなりなんJ語です。ネットスラングを使った小説は近年多いのですが、この小説はもう「スラングをちょっと使う」レベルでなくテーマの一つにすらなりますので、1ページ目からあえてネットスラングを使っていくと決めていました。
    • なお、本作に登場するネットスラングは、元ネタがあるので風化しにくい、作者が野球好きである、などの理由によりVIP語などよりはややなんJ語が多めの傾向になっています。
  • P20 L2 基本的に多く敵を作りそうな小説ですので、本作はここ以外でも結構なところで巧妙に固有名詞を改変したり避けたりしています。まあ大人のアレです。
  • P28 L11 ここは初稿時のネタではアプリ名が『パズル&奴隷商人』で、略すと『パズドレ』になるというものでした。元ネタは言わなくていいですよね。シュールさが出たので、むしろ変えてよかったと思います。
  • P29 L3 我ながら、すげえ「俗物」っぽさの出た、いいセリフだと思います。
  • P38 L15 作者的にはドリフのジャンボマックスキン肉マンのビッグ・ザ・ブドーの組み合わせネタです。京子的にはなんとなく大きそうな固有名詞を言っているのでしょう。
  • P47 L10 こういうシュール気味な文章自体を持ってくるギャグは作者的にはあまり多用しないのですが、自分の中でライトノベルを書くときに「ギャグの傾向を偏らせない」というのを一つ意識していることがあります。時には、笑える笑えないより先にギャグを入れるのです。
  • P64 L8 主人公機の色を青にしたのは、赤だとまんまアイアンマンになってしまうしなあ、ということです。あと、エヴァの呪縛もあるかもしれません。いつまでも14歳なんだね。
    • (付記)なお、本作を書くのにアイアンマンの映画は何度も観まくった模様。アイアンマン大好き!
  • P72 L12 言うまでもないかもしれませんが、イメージはSiriさんです。Siriさん超かわいいというフェチが作者にはあるので、次巻以降も彼女が活躍してくれることを期待しています。

8/22
Part 2(P80〜145)

  • P92 L13 このアカウント名にしたのは単純な理由で、京子の誕生日が6月21日だからです。なお、作者手元の設定資料集によると、各キャラの誕生日は以下のようになっています。焔=5月24日 華蓮=9月3日 みょろきー=12月12日 桃香=10月15日
  • P93 L1 毒と風刺を入れまくった『そうおん!』周りのくだりは総じて気に入っているのですが、トゥーマッチ感のあるこの煽りが一番お気に入りのセリフの一つです。
  • P100 L10 よくわかりませんが、ルッコラの葉脈のことを言っていると思います。
  • P100〜101 この企画を立ち上げた時から、真っ先に書きたいと思っていたシーンです。そういう問題意識をどうしても入れたかったんですね。なお、この件はあきまん先生の図解が解りやすいです。
  • P102 この「火消し」、ヒーローもの史に残る静謐でかっこいいレスキューシーンになったと思っています。物理によらなくても人は救えるのです。炎上した時の京子のメンタルを考えるだに、「ああ〜、惚れちゃう、惚れちゃうよ〜」と自分で書きながら言ってました。
  • P108 L6 種書き段階ではここは「静脈キャッチ!シャブキュア」でした。変えといて本当によかった。
  • P126 L1 小中学生の子らはインスパイア元になった「小女子事件」でググってください。もちろんアレンジはしてますが。完全なフィクションにするのではなく、実在の事象をモチーフにする手法は今後も偶に使っていきたいと思っています。炎上は日常と地続きのものだからです。

8/23
Part 3(P146〜215)

  • P151 L1 フラク○ルのヤマ○ンですね。 L6 逃○中のドラド○鈴木ですね。 L11 西○の中継ぎですね。ちなみになんJ語では、炎上する中継ぎのことを「俺達」と呼んでいます。俺達になった人は熱烈歓迎○者と言って迎え入れるのがルールとなっています。
  • P159 悪役を単なるネット嫌いキャラではなく、こういうキャラ設定にしたのには意味があります。思い入れもあります。もしシリーズが続いたらいつか「彼」の時代のことも描けたらいいなと思っています。
  • P162 L2 モデルは江ノ島ですね。なお、焔くんたちの住む街は「K県Y市」となってますが、作者は神奈川県横須賀市出身なので概ね高校生活のことはその辺りでイメージしていると頭に入れつつ(横浜市でもいけますし)、ぼんやり首都圏っぽいイメージで読んでください。
  • P175 彼女が猫宮由希でなんで愛称がみょろきーなのかはいずれ書けたら書きます。みょろきーと桃香の描写に関しては、今回は尺の問題でスポイルした部分もあります。申し訳ない。
    • (付記)2巻でなんか書いとる模様
  • P183 L13 なんJを中心に、ベイスターズが戦っていると噂されているリーグのことです。ちょっと強引に入れました。
  • P184 L4 エモやんと呼ばれる某選手の名言です。これをきっかけに彼は引退しました。
  • P198 L5〜7 日曜日の夕方にいそうな三人組ですね。こういうどうでもいい名前ネタとかで大きいものに喧嘩を売るからすぐ偉い人に睨まれるのです。
  • P206 L4 メンタルの強さの指標に関して、『メンタルデュラビリティ』が最大HPで、『打たれ強さ』が防御力、という例えは我ながら解りやすくなったので、結構ギリギリだったのですが入れて良かったと思います。
  • P212 L2 きっとフルCGアニメで西田敏行がミュージカルする映画なのでしょう。(推定楽曲タイトル:『釣りのハマで 〜Let It Gattai〜』) こういうどうでもいい名前ネタとかで大きいものに喧嘩を売るから(以下略

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Part 4(P215〜ラスト)

  • P217 L16 ロールズの正義論は現行版では分厚いのしかなくて本当は小学生が気軽に持ち歩ける本ではないのですが、その辺は優しいフィクションです。この作品はヒーローものの常である「正義」について考えることもおろそかにしないぞ、という意思表明のシーンでもあります。
  • P227 明らかに新生エオルゼアを意識したMMOですね。編集段階ではこのシーンをカットという意見もあったのですが、評判そこそこいいので入れて良かったと思います。ちなみに作者はエオルゼアPS4で嗜む程度、呪術士メインでプレイしています。ユーザー名は内緒です。
  • P244 L8 大半の方はスルッと流すところかもしれませんが、何故かこの「あっ、食い物ネタだ。」という一文が作者は大変気にいっています。「あっ、」じゃねえだろ、みたいな。じわじわ来ます。
  • P245 L3 以前、どう見てもご本人のものでないドへたくそな「とりやまあ○ら」先生の偽サイン色紙がヤフオクで売られていたという事件がありました。あのどう見ても本人でなさや傲慢さが作者的には微妙にツボだったので、ネタとして入れてみました。
  • P267〜 この辺りのシーンから、作者はもう書きながら泣いています。このメッセージが世界に一人でもいいから、まだ見ぬ誰かの勇気になってくれれば、必要としている誰かの胸に届いてくれれば嬉しいなと、それだけを願っております。
  • P276〜277 クライマックスです。僕が構図のラフとツウィート内容を50個ほど書いて、デザイナーさんに整形していただきました。さあ、もはや文字表現とかしてないぞ! 「最近のラノベ」とか言って叩くなら叩け! と思っています。
  • P276 なお、一部の方からはこの作品は炎上がぬるいというご意見もありましたが、基本的にこのシーンまでの炎上はあえて「ギャグ」として落とせるように意識しています。それは、炎上による「つらみ」のピークがここに来るように、という調整でもありました。
    • P276 ていうか、全編がこのレベルだったらそれはもう楽しく読めるエンタメじゃないでしょう。しかし、それでも最初から読むのが心抉られたという声も聞き、つくづく万人に合わせたバランスを取るのって難しいなと思っているところです。なのでまあ、次も好きにやります。

本編の解説終了。あと、全体で言い残したことです。

  • ネーミング

主人公の名前「匂坂焔」ですが、日本神話でのカグツチが「火の匂いのする神」なので、そのあたりからのインスピレーションで付けました。ヒロインはお察しの通り動物繋がりです。八雲先輩はなんかクラウドっぽい感じ。モブはベイスターズの選手名アレンジとかです。

  • アカウント

「homura_16」などがあるのはTweeterという架空のサービスなのですが、Twitterで誰か入れてみる人いないかな、入れて出たら嬉しいだろうなとか考えて、怪しげな隠しアカウントを用意してみました。誰にも気付かれなかったので暴露しておきます。

  • まとめ

とまあ、色々言ってきましたが、いつもの通りネタっぽい掴みでありながら、要するに不器用ながらこの小説には僕の世界に対する怒りも愛もアジテーションも魂も全てぶち込んであるのです。誰かさまの心に届けば、こんなに嬉しいことはありません。
あと、あとがきにも書きましたができれば続きを書きたいなあと作者は思っておりますので、無事続刊を出版することができました際にはまた是非よろしくお願いします。そのためにも、1巻の布教バンバンお願いしやす! なにとぞひとつ! それではカグツチSLN、これにて終了!

2巻でSLNやるかはまだ未定です。そんなにやらないかなー。

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