くたばれPTA/筒井康隆

くたばれPTA (新潮文庫)

くたばれPTA (新潮文庫)

御大の短編集。ショートショートあり、短編あり。さすがにどこから切っても面白い。
「秘密兵器」
途中の展開から想像してたより意外といい話で終わってびっくりした。
「癌」
この発想、さすがだよなあ。
「狸」
これ考えオチだそうなんですが、えーと、わかんないよ……!
不条理オチじゃないの……?! 誰か教えてください!
「酔いどれの帰宅」
読むのは一瞬だけど書く方に手間が10倍くらいかかってそう。
「いずこも愛は……」
多元宇宙のこういう些末な解釈はなかったわ。
「落語・伝票あらそい」
会話文で読むのがしんどかったけど、会話だけでじっくりねっとりと話を進行させる手腕は見事すぎる。
「かゆみの限界」
なんか海野十三っぽいなと思った。
「くたばれPTA」
筒井さんかわいそうです><
タイトルがすべてを表してる。それで断筆とかなるんだなあ。是非とも次は、「モンスターペアレント」で、親が本当のモンスターになる小説を書いてください。
「20000トンの精液」
すばらしい。この本で一番良かった。ティプトリーのあれに多分影響受けてるんかなー。
性交のシーンの描写の迫力は、あと十回ぐらい読み返したい。
「モケケ=バラリバラ戦記」
この言語感覚!
「虚構船団」もそうだけど、筒井さんの擬史をつくりあげちゃうようなパワーはいつかあやかりたい。


面白かった。御大の幅の広さってのは半端ないなやっぱ。
ぐぐってもわからないので、誰か「狸」のオチの意味を教えてください。