『空気人形』/『ハプニング』

『空気人形』

http://www.kuuki-ningyo.com/
監督:是枝裕和。渋谷シネマライズで鑑賞。
ダッチワイフが心を持ちましたよ、というお話。
泣ける映画かと思ってたら悲劇を通り越してどんよりする映画だったのでマスターどよんどした。
エンタメに寄らない悲劇を否定はしないのだけど、「作者が悲劇にしたくて無理矢理した悲劇」というのが透けて見えるとちょっと冷めてしまったりする自分がいます。あと完全におとぎ話なのだけど、どの位のリアリティを持って鑑賞すればいいのかわからなかった。いっそ完全に寓話として見るべきなのかもしれない。
音楽がworld's end girlfriend(WEG)で、WEGの尖った部分を切り捨てて切なさと優しさだけで構成されたような音楽は非常に良かった。というかWEGの音楽を使うだけで大抵の映画はいい映画になります。自主映画で実践したことがあります。(JAS○ACあっち行け)
それだけでWEGファンとしては観る価値はあるしサントラは映画を見る前に買った。むしろどんよりした先入観が入らないよう映画を見ないでサントラだけ聴くというのもありかもしれない(笑)
ペ・ドゥナの身体の美しさは、まさに「人形」と形容するしかない完璧さで、素晴らしかった。おっぱい見れます。
といっても役者に関しては、板尾さん(板尾創路)がほとんど持ってった印象。
独身中年のいやらしさと哀しさと不快さを表現しつつも憎めない存在というのは板尾さんしか演じられなかったと思います。印象に残った台詞や演技が一杯ありすぎる。「100円の差はでかいな〜」「俺のブログ見たんか!?」は珠玉。笑うしかない。

空気人形 O.S.T.
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world’s end girlfriend
Human Highway Records (2009-09-25)
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『ハプニング』

WOWOWで見た。
M・ナイト・シャマラン監督。
この人最近どんでん返しをやらなくなったのですが、どんでん返しを「無理矢理にでもやらない」という縛りでも作ってしまっているのでしょうか、普通にサスペンス映画として見れば最初の方は前半の展開はクオリティ高くわくわくさせてくれるのに、カタルシスがないので上がったテンションの持って行きように困る。結果、期待外れという印象。前半の導入に、どんでん返しとは言わずとも後半であと少しカタルシスがあれば『シックス・センス』超えもできただろうに、勿体ない。演出力はあるだけになあ。