『Void Stranger』クリア者向けストーリー完全解説/考察(全部ネタバレ)

※Void Strangerをクリアした人向け完全ネタバレ記事です! クリアした人以外読まないでください!

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Void Strangerをクリアした方の中には、ストーリーがまだ完全にわかっていない、という方もいると思います。

この記事では、Void Strangerのストーリーがどういうものだったのか、時系列に沿って解説/考察していきます。

なお、Void StrangerのストーリーはSystem Erasureの前作『Zero Ranger』とも密接に関わっていると思われますので、そのネタバレもします。

また、筆者が推測で補っているところも多々あるため、これが唯一の正解というわけではありません。頻繁にアプデで要素が追加されているゲームでもあるため、考察材料が今後増えるかもしれませんが、ひとまず2024年5月時点での考察になります。25000字の研究報告。

ちなみに筆者はすでに100時間近くVoidを彷徨って献身を捧げています。君も三桁時間の虚無を彷徨って自分だけの物語を作ろう。

(プレイにはおのさんの非公式日本語化パッチを使用させていただいています)

 

前提:考察に使用したVoid Strangerのエンディング一覧

①Gray編 Voidエンド(Void化してB225へ到達)

②Gray編 生身でB255に到達する正規エンド(Lillie編へつながる)

③Lillie編 正規エンド(Lillie編はVoid状態と生身状態でエンディングに違いはないみたいです)

Cif編 正規エンド(Monを倒してBeeに再会。クレジットロール! ちなみに、Monを倒しに行かずB254まで降りた場合、Cifの生い立ちの記憶が見れます)

⑤DISルートエンド(おそらくメインエンディング。Grayで行くかLillieで行くかで若干のストーリー差分があります)

⑥開発室エンドレス(DISルートの後で行ける開発室からB002に戻り、エンドレスで終わる流れ)

⑦カーカス(死骸)エンド(Bをブランクにして行ける場所で「巨大な死骸」を調べてから6回叩いて6秒待つ。Gray編とLillie編では内容が同じ。Cif編とエクストラ編ではそれぞれ違うものが流れます。考察には非常に重要なピース)

⑧エクストラ編 正規エンド(2024/4/2配信のVer.1.1.0で追加されたエクストラ編。まだやってない人いるかもしれないのであんまり中身には触れないです)

 

【第一章 『Zero Ranger』の物語】

天地創造

人類(Manusya)や星々(宇宙人)を「ロータスジュエル」(蓮の宝石)という宝玉が創造。当初、ロータスジュエルの光はすべての生物に優しく降り注いでいた。*1

 

②天の簒奪

欲深い人類は宇宙を眺めているうちにロータスジュエルを奪って独占しようと考え、その計画を実行。他の星の生き物たちは激怒し、人類と宇宙人で大戦争になる。

   

プライミーバルファイター開発

人類、他の星が送り込んでくる敵(オニオン)に対抗するため、戦闘機「プライミーバルファイター(太古の戦闘機)」を開発。そのパイロットにDespair(ディスペアー)、オペレーターにErasure(イレイジャー)という姉妹が選ばれる。*2

オニオン

プライミーバルファイター(太古の戦闘機)

 

④ディスペアーの反転

プライミーバルファイターとディスペアーは敵の精神攻撃で精神を侵食され、人類に反旗を翻すようになる。

人類はディスペアーを新たな脅威「グリーンオレンジ」と認定して、その討伐のため新たな機体(Zero Rangerの主人公機)で反攻作戦を開始。(ここがZero Rangerのメインゲーム部分)

 

⑤Zero Rangerトゥルーまで

ディスペアー

 

主人公機、「ディスペアー」を撃破。だが時すでに遅く、グリーンオレンジ軍の攻勢によって人類は滅亡していた。主人公機、時間を遡って侵食される前のプライミーバルファイターを破壊しに行く。*3

 

④Zero Rangerトゥルーエンド

主人公機によってプライミーバルファイターは破壊され、その残骸は地球へと落下。内部にあったロータスジュエルの力を取り戻すことにも成功。現れたイレイジャー、妹の魂を解法してくれたことに感謝を告げ、世界の作り直しと生まれ変わりを宣言する。

(この「イレイジャー」こそVoid Strangerにおける褐色のStranger(aka.ゼロ裁判長)と同一人物、あるいは魂的に同一の存在だと思われる。)

 

(左:『Zero Ranger』イレイジャー、右:『Void Stranger』ゼロ裁判長)

▲ここまでZero Rangerの物語▲

 

【第二章 Void Stranger ~DISの誕生編~】

(このあたりの物語はGray編の「カーカスエンド」に詳しい)

Zero Rangerから約3万年後、Void Stranger Gray編の約7万年前。

 

人類と星々の戦争はいまだ続いていた。

そんな中、人類は地上に落下したプライミーバルファイターの残骸を発見。ほぼ時を同じくして、黒色彗星「LILITH」が地球上空に現れる。

どうやら黒色彗星「LILITH」は人類を滅ぼさんと、数多の弾頭を地球に撃ち込もうとしているようだった。

彗星による地球への総攻撃が迫る中、人類はプライミーバルファイターの残骸(ブラックボックス)とそのOSを流用し、スーパーコンピュータ「DIS」を作りあげる。

 

このDIS開発に当たっていたのがDIS機関……8人の女性博士たちであった。(宝石コンプリートで見られる写真)

(DIS機関。その姿はのちのVoid Lordsに酷似している)

 

しかし、その後政府とDIS機関内部で何らかの確執があったようで、DIS機関の「Lily博士」(写真左端の人物)はブラックボックスを持ち逃げして、独自で研究を始める。

(Lily博士。外見はLevに酷似している)

 

Lily博士によれば、プライミーバルファイターの発見と黒色彗星LILITHの出現は関連しており、「船のブラックボックスのデータが真実なら我々の施設に降り注ぐ弾頭は大したことなくなる」らしい。

(宇宙船=プライミーバルファイター)

 

このことから考えられる「DIS OS」および「Void(迷宮)」が作られた主目的とは、黒色彗星LILITHを破壊するための兵器、プライミーバルファイターに適性を持つパイロット候補を見つけ出すことだったのではないか。

 

Voidの管理人たちは「踏破したものの願いを叶える」という報酬を餌に、人間たちを時間経過の存在しないVoid迷宮に誘い込む。

Void迷宮とは、無限の時間をもってパイロット候補の忍耐力や信仰、献身(Devotion)を計測・テストするための実験装置だったと想像できる。(延々とパズルを解かせるのもテストの一環)

(DISルート終盤でDISがLevの言うことを聞かずLilyの言うことを聞いたのは、Lilyがパイロット適格者だったからだと思われる。DISの中ではプライミーバルファイターのパイロット候補こそが至上の価値を持つ)

 

そして、Lily博士はVoid迷宮を管理するために、ロータスジュエルの力を使って1体の人工生命体をDISの中に創造。「Add」である。

 

ついにDISのシステムが完成するかに思えたその時――Lily博士の仕事場は政府の部隊に襲撃される。そして、襲撃はそれだけに留まらなかった。DIS本部は同時に、オニオンの襲撃をも受けたのである。

Lily博士の計画も、政府の思惑も失敗。おそらくこの時、黒色彗星「LILITH」が放った弾頭により人類は一度ほぼ絶滅したと思われる。

そして、人類が滅びた後、地球にはスーパーコンピュータ「DIS」と、その中にあるパイロット試験空間(倉庫番迷宮「Void」)、そして管理人である「Add」だけが長い期間残されたのだった。

 

【第三章 Void Stranger ~Void内戦編~】

(このパートは、人類が絶滅してからGray編までの70000年の間に起きた出来事と考えられる。主に「岩」の会話から察せられる出来事)

 

①Void Lordsの創造

長い時を経るうち、Voidに存在するAddは、孤独に耐えかねたのか、自分自身の手で新たな生命を生み出すことを決断。

迷宮内にいた芋虫やクリオネなどを元に、7人のVoid Lordsを生み出す。

(画像:Cif編のB254で見る「夢」)

生み出した順番は、Eus、Bee、Mon、Tan、Gor、Lev、そして末っ子のCif。このうち、Mon、Gor、Levの3人は何らかの「禁じられた手段」によって創造された。また、Cifは最もManusyaに近い存在として作られた。

この時、AddはCifの存在について「小さな奇跡」とまで言っているので、何か特別な生まれ方をしたか、変わった特徴があったのかもしれない。

なお、この回想シーンはCifに対して「あなたの名前は……」と言った瞬間途切れており、Cif編で人間に会った時もCifは自分の名前を思い出せないような描写があるので、Void Lordsにとって名前は何か特別な意味を持っているのかもしれない。

考察/もしかしたらCifの本当の名前は「Lucifer」かもしれない。Addが生み出したそれぞれのLordsの名前の元ネタは、七つの大罪に紐付いた「悪魔の七王子」と思われる。なんとなくキャラの性格もそれに関連付けられてそう。Addは「破壊者」であるAbaddon。

Add=Abaddon(アバドン・破壊者)

Eus=Asmodeus(アスモデウス・色欲)

Bee=Beelzebub(ベルゼバブ・暴食)

Mon=Mammon(マモン・強欲)

Tan=Satan(サタン・憤怒)

Gor=Belphegor(ベルフェゴール・怠惰)

Lev=Leviathan(レヴィアタン・嫉妬)

Cif=Lucifer(ルシファー・傲慢)

 

Q.何故、Void Lordsの外見はDIS機関にいた博士たちの外見に酷似しているのか?

考察/上記の経緯から、AddだけはDIS機関に対する情報を僅かに得ていたのかもしれない。その記憶に基づいて生み出す生命の外見を決めたと考えられる。

 

②Void内戦勃発

時々Void迷宮に人間を引き込み、それを食料にしながらVoid Lordsは楽しく暮らしていたが、ある日Void Lordsを二分する内戦が勃発。

最初の裏切り者としてAddに反旗を翻したのはEus。

次に、Eusに惹かれていたMon。

最後に、なんだかわからないうちに巻き込まれてAddを裏切ることになってしまったGor。

かくして、

Add、Lev、Tan、Bee、Cif(Add連合)

VS

Eus、Mon、Gor(裏切り者連合)

による戦いが始まった。(実際は、この裏切り者連合の行動を操っていたのはLevであると考えられる)

(Void Stranger リリーストレイラー)

 

この内戦はAdd連合の勝利で終わるが、その代償は大きかった。

一度戦いを始めると見境がなくなるTanは暴走モードに入ってしまい、やむを得ずAddはTanに剣を刺して封印。

(左目が欠けているのでこれがTanとわかる)

Eus、Mon、Gorの裏切り者たちには罰が与えられることに。

Eusは死刑。だが、死ぬ寸前に逃げ出したEusの切れ端は、Tailとして迷宮に残った。

Monも死刑(しかし処刑担当はLevだったので、実際は死を偽装していたと思われる)。

(Monの処刑担当がLevだったことを回想するCifとTail)

なんとなく成り行きで裏切ることになってしまったGorは、死ぬこともできないまま、首と身体を切断されて首だけで生きる罰が与えられた。ちなみにGorはTanと仲が良かったらしく、最期の時までTanのことを気に掛けている。

そしてLevは、姉妹を殺めてしまったことに心を痛め、自ら命を絶つ。(これもMonと共謀の上、Monの集めたイナゴで後に復活する計画だったと思われる)

かくして、Void内戦のあと、Voidに残ったのはAdd、Bee、Cifの三姉妹だけになってしまった。

これに傷心したのか、Addは誰にも行き先を言わず、B000にスーパーロッドを隠し、Voidから姿を消した。

Addは、自分の記憶を捨て(正確には記憶を「重責」の中に封印し)、Grayとして人間界へと向かったのだった。

 

なお、ここからGray編が始まるまでの間に、BeeとCifが二人で暮らしていたところにイレイジャーが現れ、「わたしが知っているDISのことを教える」「代わりにしばらくあなたたちと一緒に過ごさせて、Voidの調査をさせて」などの取引によってリーダー格に収まったと思われる。なぜイレイジャーがDISのことを少し知っていたかの理由は不明。もしかしたら、イレイジャーはゲームに対するメタ認識のようなものを持っているキャラなのかもしれない。

そして、7万年の時が流れた。

 

【第四章 Void Stranger ~Gray編~】

かつて一度滅びた人類は再興していた。

そして、中世ヨーロッパのような文明を築くにまで至る。

(実年代は、人類の滅亡から7万年後、DIS OSが起動してからは10万年後である。Gray編でシステムエラーを起こすとパソコンの時間に10万年プラスされたものが現在の日付として表示される)

 

BeeとCif、それにイレイジャーの3人はこの時期も、Void迷宮の中に人間を引き込むことを続けていた。

(Johann1世の回想。背後に日食が見える。もしかすると日食の日だけVoidと現実世界の扉はつながるのかもしれない。Johannとの契約は少し特殊で、「期間内に一定数の魂をVoidに捧げることを条件に特別な力をやろう」というものだったと思われる)

 

かつて黒色彗星LILITHから弾頭が降り注いで人類を絶滅させた話は一般人にはすっかり忘れ去られ、曖昧な「星の神話」として語り継がれている。

 

「星の神話」

・かつて天地が一つだった頃、一輪の花が咲き人間に知性を与えた。(Zero Rangerのロータスジュエルの話)

・人類は星々に願いを捧げていた。それに届こうと塔を建てて、空を自由に飛んでいた(星間飛行技術があったこと? Add自身は普通に空も飛べていたようではある)

・星が堕ちてきた(黒色彗星LILITHからの攻撃?)

・星は虚空そのもので、虚空から悪魔が現れた(同じ頃、BeeやCifが人間をVoid迷宮に引きずり込み始めたことを指していると思われる。悪魔のビジュアルはVoid Lordsに似ている)

・人間は星を塔の中に深く埋めた(DIS機関の施設があった場所にVoid迷宮が存在していることだろうか)

 

そして、王と女王が治める美しい一つの王国があった。

ここにふらりと現れたのが、卓越した戦闘能力を持つ一人の女性、「破壊者Gray」。

破壊者Grayには記憶と呼べるものがなかった。

女王はGrayに目をかけ、彼女に人間らしい生活を教え、ダンスの仕方も教える。

やがて女王は、生まれたばかりの王女Lilyの教育係としてGrayを任命する。

かくして、破壊者Grayは、レディ・Grayになったのである。

 

それから十数年後。

女王の忘れ形見であるLily王女はわんぱくに成長し、Grayの手を焼かせていた。

(B28・夢1)

 

王国の経済は逼迫しており、王は王女が他の国の王族と結婚することに一縷の希望を見出していたが、王女に結婚依頼が来ても、なかなか成立しない。

Lily王女がすぐに暴力沙汰を起こしてしまうからだ。

国王は激怒し、自分が国民の信を得ていないことすらLilyのせいにし始める。自分の言うことを聞くまでLilyを外に出さない、とまで言う。

 

その日、Lilyは城の中庭にいた。

Lily王女がまた花婿候補を殴ったのだ。

Lilyは自分は国にも姫にも興味がない、と言い放ち、もう逃げ出したい、と嘆く。

Grayはそんな王女を窘めながらも、「あなたの友人として、私はいつもあなたの味方です」と告げるのだった。

(B56・夢2)

GrayとLilyは、最近飢餓の危機を乗り越えたという隣国の王、「天界の騎士」に会いに行くことに。

その道中、盗賊に襲われた2人。Grayは破壊者として盗賊を退けるが、油断したLilyが窮地に陥ってしまう。そこに颯爽と現れ、雷の魔法を放ち姫の危機を救ったのは、「天界の騎士」ことJohann(ヨハン)1世その人だった。

(B84・夢3)

 

Lily王女はすっかりJohann1世の虜になってしまった。

滞在中もJohann1世の素晴らしさをGrayに熱く語っている。

その晩、Grayの元にJohann1世が訪れる。

Johann1世は「破壊者Gray」としてのGrayのことを知っており、高く評価していた。

Grayは、Lily王女のことをもっと知りたいと語るJohann1世に「協力」することを約束するのだった。

だが、どこか浮かない顔のGray。

その顔は、Lilyが自由になるための道は本当に結婚しかないのだろうか、と思い詰めているようでもあった。

(B112・夢4)

 

日は過ぎ、今度はJohann1世がLilyたちの王国を訪問する機会がやってきた。

ウキウキでドレスを選んでいるLily王女。どうやら、Johann1世は事前にLily王女にプロポーズしていたらしい。

そして、Johann1世の来訪。

Lilyは、Grayを前にしてにこやかな顔で「Johannと私から重要なお知らせがあります」と言う。

恐らく、Johann1世のプロポーズに答え、結婚することを告げたのだろう。

だが、その流れもGrayは知っていた。結婚を申し込ませるよう、Johannを半ば無理に説得していたのはGray自身だったからだ。

(B140・夢5)

 

LilyとJohannの結婚式まであと数週間。

LilyとGrayはダンスの練習をしていた。

「どこでダンスを教わったの? その記憶もないの?」と尋ねるLilyに、Grayは「あなたと同じくらいの年の時によい先生に教わったのです。女王陛下にも」と答える。

思わず顔を曇らせるLily。

Lilyには女王の記憶はなかった。彼女がうんと小さい頃に死んでしまっていたからだ。

Lilyを慰めるGray。その時、そんな2人を見つめる何者かの視線をGrayは感じたのだった。

(B168・夢6)

 

結婚式直前。

Grayは、物心ついた時から持ち歩いていたペンダントを結婚祝いとしてLilyにプレゼントする。喜ぶLily。

その夜。GrayはJohann1世を裏庭に呼び出す。

「もうやめるべきです」

Johann1世は、本当はLily王女のことを愛してなどいないことを知っていたからだ。

だが、Johann1世は「ずっと前から私の計画は動いていた」と語る。

そして、破壊者Grayに死を宣告するのだった。

(B196・夢7)

 

目が覚めたGrayはまだ中庭にいた。

Lily王女の部屋に行くと、憔悴したLily王女は、城から飛び降りようとしていた。

 

恐らく、昨晩のうちにJohannが本性を現し、Lily王女に牙を剥き、手籠めにしたのだろう。

慌てて王女を抱き留めて部屋に引き戻すGray。

そんなLilyとGrayの前に現れたのは、王国の兵をすっかり従えたJohannだった。

Johannは、Grayが王女を暴行したと王に吹き込み、Grayの捕縛命令を出させていた。

兵士たちと差し違えても戦おうとするGray。

それを止めるLily。「Johann、あなたの望むようにしてあげます。ただ、Grayを傷つけないでください」とJohannに懇願する。

 

そして、Grayは捕らえられていくのだった。

(B224・夢8)

 

暴行の罪でGrayは収監されていた。

それを助けたのは昔から王国にいたメガネの従者。脱走したGrayはLily王女とJohannの元へ急ぐ。玉座にたどり着いたGray。その瞬間、雷の音が鳴り響く。

Johannは「来るのが少し遅かったな。生贄はもう捧げた」と言う。

話によれば、Johannは過去に自分の国が飢餓に襲われた時、異形と「契約」したとのこと。

その契約で力を得る代わりに、Lilyの王国とその住民を生贄として捧げたのだと言う。

「姿を現せ、虚空の主たちよ!」

 

その声を受けて現れるBee、Cif。自分たちについてBeeは語る。

「まあ、悪魔みたいなものです」

Johannがこの虚空の主たちと契約したノルマには魂があと一つ足りないらしい。Johannは、もしGrayが犠牲になるなら王女は生かしてやってもいい、とGrayに持ちかける。

 

一瞬、諦めかけるGray。そんなGrayを叱咤するLily。

GrayはJohannと戦う覚悟を決めた。

だがJohannは、自分で戦う気が無さそうだ。そして背後のBeeに対して、「この女と戦いたくはないか?」と持ちかける。

Beeはわりと乗り気だった。Cifに尋ねる。

Bee「やってもいい?」

Cif「DISに知られたら自己責任だが。」

Bee対Grayのバトルが始まる。

だが、人間の範疇に収まっているGrayがBeeに勝つことはできなかった。

(殴り続ければ一矢報いることぐらいはできます。特殊セリフあり)

 

ボロボロになるGray。

たまらずLily、Cifに叫ぶ。

「おい、大きな角!」*4

「私も契約をする!」

そこに現れたのは、イレイジャーだった。

「DISは彼女の条件を承認しました」

Grayも慌てて、「彼女の魂を持っていくぐらいなら私のを持っていけ!」と叫ぶが、それは承認してくれなかった。

イレイジャーはGrayに冷たく言い放つ。

「彼女を取り戻したいのなら、Voidの果てでお会いしましょう」

そして、LilyはVoidの奥底へ封印されることになる。

Lily、結婚祝いのペンダントをGrayに再び差し出し、これは大事なものだから返しに来てね、とGrayに託す。

何かを言いかけたLily、消滅。かくしてBee、Cif、イレイジャーとLilyはVoidの深淵へと帰っていったのだった。

一方、期間内に契約を終わらせられなかったJohannは雷の能力も失い、Grayにしこたま殴られる。

 

そして、Lily王女が残していったペンダントを見つめ、Grayは誓うのだった。

自分もきっとその「Void」の果てへと向かうことを。

(B254・夢9)

 

Grayは荒野を彷徨っていた。

どうすればLilyを助けられるのか、それだけを考える彼女の髪は、もはや中世の常識では考えられないほど短い。そんなGrayの前にとうとう現れたのは、願いを叶えるという深い穴。Grayは、これ幸いと自らVoidの中へと身を投じるのだった。

(Void Stranger Grayオープニング)

 

そして、GrayはDISの生み出した試練、無間パズル地獄を彷徨い続ける。

難問奇問。初見殺しの罠。無数の敵。やっかいなNPC

理不尽な巻き戻し。(

幾多の苦難を乗り越えて、自分の献身をDISに捧げるため。

まるで、Lilyのことを助けられなかった自分自身に重い罰を与えるかのように。

 

Gray編テーマソング 「Voided」


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There's a safety locker inside of me
(私の内側にセーフティーロッカーがある)
out of your reach And I hold the key
(あなたの手にも届かないところ 鍵は私が持っている)

It's sealed with layers and layers of irony
(何層もの皮肉で封をして)
What's within I refuse to see
(何が入っているかなんてもう見たくもない)

I hold on I hold on I hold on
(耐えなくちゃ、耐えなくちゃ、耐えなくちゃ)
'cause that's the only thing the one thing I can control
(それが私にできるただ一つのことだから)
My grievance is mine
(私の不満は私のもの)
My sadness is mine
(私の悲しみは私のもの)
My loss is mine
(私の喪失は私のもの)

 

One toss and I'll forever be blind
(一度賽を振れば永遠に盲目になる)
Toss the key oh please be kind
(その鍵を投げてよ 優しくしてよ)
In this state of oblivion
(何もかも忘れた状態で)
My silence goes on
(私の沈黙は続く)
My bearings stay stored
(私のベアリングは格納されたまま)
My walls stay strong
(心の壁は硬いまま)

I hold on I hold on I hold on
(続ける、続ける、続けるの)
'cause that's the only thing the one thing I can control
(私にコントロールできるただ一つのこと)
My grievance is mine
(私の不満は私のもの)
My sadness is mine
(私の悲しみは私のもの)
My loss is mine
(私の喪失は私だけのもの)

(My silence goes on / My bearings stay stored)
(沈黙は続く ベアリングは格納されている)
(I'm closing the door / Don't ask no more) 
(私は扉を閉め続けている これ以上なにも訊かないで)

I hold on I hold on I hold on
'cause that's the only thing the one thing I can control
My grievance is mine
My sadness is mine
My loss is mine

My grievance is mine
My sadness is mine
My loss is mine

 

【Voidの終端へ】

やがて、Grayは生身のままVoidの終点にたどり着くことができた。

そんなGrayの前に現れたのは、イレイジャー、Bee、Cif

 

今回のGrayの献身は「DIS」に高く評価されたらしい。

 

Grayは叶えてほしい願いとしてLilyを地上に戻すことを願うが、すぐに「問題が発生した」とイレイジャーが言う。

なんと、Lilyは妊娠していた。

地上に連れて行ける魂は一つだけ。

Grayは、Lilyかそのお腹の赤ん坊、どちらを救うか選べと言われる。

 

 

悩んだ末、決断として――

Grayは、Lilyのお腹の子供の命を選ぶ。

 

Q.なぜGrayはLilyではなくその娘であるLillieの命を選んだのか?

考察/Void内では昏睡状態で安定しているLilyと違って、Lilyの身体を連れ去ってしまったらLilyの子供は間違いなく死んでしまうだろう。そこにあるのは紛れもなく罪のない命だ。また、元々DISの作った人工生命体であり、子宮の存在しないAddは、もしかしたらずっと「母親」というものに執着があったのかもしれない。それはきっと、Void Lordたちを自分の手で生み出した時から。

 

そしてGrayは、Lilyの子供を手に持って現代のような世界……1万年後の未来に転生するのだった。

 

(Gray編でシステムエラーを起こすと、パソコンの時計に10万年プラスされたものが

現在時間として使われるが、Lillie編では11万年後となっている。このため、Lillie編はGray編の1万年後ということになる)

 

【第五章 Void Stranger ~Lillie編~】

とある日食の日。

眠れなくて日食を見ようと早朝から町に起き出してきたFreyaという成人女性は、交差点に一人たたずむGrayの姿を見る。

彼女は、手に小さな赤ん坊を持って、泣きそうな顔をしていた。

言葉は通じなかったが、FreyaはGrayを助けて家に連れ帰ることにする。

(ジグソーパズル2)

 

Grayが手にしていたLily(リリー)の子供はLillie(リーリエ)と名付けられ、人智を超えたスピードですくすくと育っていた。

Grayは良き母親になろうとしているが、

「彼女はまだ待っている……もう彼女を失望させられない」

などの言葉からずっとLilyのことを案じているのは明らかだ。

「お母さんのためにも強くなってね」などの言葉から、

もしかしたら将来的にLillieがVoidに入ることも想定していたのかもしれない。

(B28・夢1)

 

GrayとLillieは、丘の上にあるボロ家の内覧に来ていた。

Grayは、経歴が空白なこともあり苦労しているが、どうやらこの世界ですでに仕事も見つけているらしい。

そして、Lillieが気に入ったらしいこともあり、「ここに決めようと思う」とFreyaに連絡するのだった。

(B56・夢2)

 

Grayは、Lillieに物語を読み聞かせている。

王国に伝わっていた星の神話。

心の弱い者を食い物にし、力と永遠の命を与える存在、Void Lords。

その話を忘れてはいけない、とLillieに繰り返し語るのだった。

(B84・夢3)

 

ハロウィン。

Gray家は、Freyaとその娘Soniaの訪問を受ける。

GrayがLilleに作ってあげたアニメキャラの仮装を着て、Lillieは上機嫌だ。

LilleとSoniaがお菓子をもらいに行っている間、GrayとFreyaはのんびりティータイム。

GrayはまだLillieに真実(本当の母親がいるということ)を話すか迷っている。

FreyaはそんなGrayに、自分の幸せを探した方がいい、と知人男性を紹介することを了承させるのだった。

(B112・夢4)

 

Gray、Freyaの知人男性Danielとデート。

Grayは事務仕事(大学の古代語研究学部で、古代語の翻訳をする助手)に就いている、などと自己紹介する。

そこでGrayはDanielと色々会話をするが、

最終的に「私は何をやっている…… なぜ私はここにいるのか Lily……」

とLilyのことが頭にちらついて冷静には楽しめなかったようだった。

(B140・夢5)

 

Grayは学校の校長に呼び出されていた。

Lillieが、学校で男子生徒とケンカして骨折させてしまったからだ。

その帰り道の車の中で、GrayはLillieに自分の考えを聞かせる。

昔の自分ならすぐに暴力に訴えていただろうが、今は年を取ってそういうことはしなくなった。

暴力では解決しないことがあると気付いたからだ、と語った。

(B168・夢6)

 

Lillieの受験間近。

Lillieは急に受験を1年休んで、Soniaとインターレイルに行きたいと言い出す。

(インターレイル=ヨーロッパ国内の鉄道が一定期間乗り放題になるフリーパス。主に長期旅行に使われる。若年層割引もある。)

Gray、Lillieの申し出を不許可。

来年から兵役も始まるから現役で受験してほしいと譲らない。

考察/もしかしたらGrayたちがいるのは女性の懲役義務があるスウェーデンかもしれない。(18歳以上の男女ともに徴兵義務あり)。自宅のラジエーターを調べるとスウェーデン語で「カバーをかけないでください」と出てくる。

母娘の仲はだんだんギクシャクしてくる。

(B196・夢7)

 

Grayに反抗するLillieは、自分の髪を無断でバッサリ切り落としてしまう。

その姿を見て、驚愕するGray。

(Grayのいた中世時代では女性が髪を切るということに大きな意味があると思われる)

それをきっかけに始まった口喧嘩の末、Gray、うっかり口を滑らせてしまう。「あなたの母親よりひどいわ!」。

自分が一番言ってはいけないことを言ってしまったと気付いたGray、癇癪を起こす。

「出て行って!」

そしてLillieは、家を出て行くことになったのだった。

(B224・夢8)

 

しばらく月日が経った後。

一人で暮らしているLillieの元に突然、Freyaから電話がかかってくる。

恐らく、Grayになにかあったこと(死 or 失踪)を告げるものだったと思われる。

(B254・夢9)

 

Lillie編のオープニング。

かつて暮らしたボロ家に帰ってくるLillie。

Grayの部屋で出生証明書を探していることから、Grayの死or失踪にまつわる手続きのために書類が必要だったと思われる。(偽造書類かもしれないが)

散らかった家の惨状を見て驚くLillieの様子などから、母娘は仲違いしたあと一度も会っていないのだろう。

 

Lillie、自分の部屋で封のされた手紙を発見する。

それを開いた瞬間、Cifに遭遇。

Voidに落とされる。

 

そして、LillieもVoidを彷徨うことになるのだった。

 

【Void迷宮にて】

B30でTailに会ったLillie。

Tailは蛇の姿をしている。LillieはTailの話も幼い頃にGrayから聞いていたらしかったが、その姿はずいぶん聞いていた話と違う。本来Tailは見る人が愛する人の姿を反映するのだが、Lillieには本来の姿が見えるということは、Lillieはまだ誰かと交尾した……誰かを愛したことがないらしい。

「急になんなの? それに、ここ数年はちょっと不安定だったから……」Lilyはつっけんどんに返す。

余談:ちなみに、Gray編でのTailは亡くなった女王の姿を反映している。このことから、Grayは女王に少なくない愛を抱いていたことがわかる。本編中で女王の姿は以下の箇所で確認できる。

①Void状態にならずDISルートをクリアした場合に、エンドロールの終わりに後ろ姿で登場(Lillieでクリアした場合はGrayも登場する)

サウンドトラックモードでver1.1.0以降に追加された隠しコード、01-18-26-34-36-41-43-47-57を演奏すると出てくる女性キャラの中の一人

③Gray編のTail

 

その後、LillieはB173で内気な少女「ニニー」に会って、初めての恋をしたりもする。

余談/正直、ストーリー考察していてニニーについてのことが一番わかっていません。なぜニニーはVoidに来た経緯を口ごもったのか。ニニーの「もっと早く出会っていれば……」という言葉の意味とは。

Cif編やMonの居場所などで会う「内気な妹を探している」そばかすの女性が、そばかすという共通項もありたぶんニニーの姉なんだろうな、とは思うのですが。

また、ニニーにだけ後述する「エンドロールにおけるNPCの救済」がないことも気になります。もし、今後アプデでストーリーが追加されるとしたらこの2人の話辺りなのかも、と思っています。それはそれとして僕はニニーイベントの結末にいつも泣きます。

(この一枚絵)

 

B226では、おそらく国王に出会ったりもする。

最初はLillieの姿を「悪魔のまやかし」と断じていることから、Lilyと勘違いしたのかもしれない。

 

【Voidの終端へ】

そして、LillieはVoidの深層に到達する。

Lillieは「夢」や「ジグソーパズル」などで、自分の生い立ち、Grayの思いなどを振り返させられる。

Freya「彼女はどんな時もあなたを愛していたわ。」

そして、それを聞いたLillieは激しい後悔に苛まれる。

ケンカして家を飛び出してしまったまま、和解する前にGrayが亡くなってしまったことに。

自分が愛されていたことを受け入れられないまま、その感謝を伝えることさえできなくなってしまったことに。

 

「もういい……」

 

すべてに絶望したLillieは石化する。

 

Beeが新しくできた石を食べようと思ってウキウキ取りに来たところ――Lillieの持っていたAddのロッドが光り出す。

Beeが後ろを振り返るとそこには、復活したAddがいた。

「Whattttttttt!!!!!?????」

Bee、Addに弾き飛ばされてVoid内のどこかに吹っ飛んでしまう。

「あなたがいるべき場所はここではない」

そしてAddは、Lillieに黒色彗星LILITHの姿を見せる。

見せたビジョン。それは、DIS OSがLillieに課す使命とは、あの「黒色彗星LILITHを破壊することである」ということだったのではないか。

 

そして、Lillieは女王の墓(のような場所)の前に堕ちる。

そこには、Lillieの母親Grayではなく、無言で髪が短い、Void Stranger Grayの姿があった。

 

Q.このGrayはどういう状態?

考察/Lillieが家を出ていってしまったあと、Grayに残っているのはLilyを助けなければという思いだけ。

Gray編のエンドでVoidの深淵から出る時にイレイジャーがGrayに課したのは「もう戻ってこれない覚悟」。

つまり、この時のGrayは無理矢理Void迷宮に来るため、自らの手で命を絶って「Void化」していたのではないか? それなら現実世界でGrayを「前触れなく死んだ」人として扱っていたLilyやFreyaの態度、後悔も納得がいく。

(そもそもVoid化とは何か? みたいな考察もまたできそうですが。個人的には死んだ人間が無理矢理生かされ、意識も目的もなく、パズルを解く機械になっている、みたいなイメージです)

 

だが、Void化した人間はどうやってもVoidの終点にたどり着くことはできない。

つまり、GrayはLilyを救出することもできず、無為にVoidを彷徨っていたと言える。

 

Lillieは、物言わぬGrayに対して、一方的に文句をまくしたてる。

もう会えなくなってしまった人間に対して、言えなかった、溜め込んでいた言葉を投げつけていく。

だが、本当に言いたかった言葉は――

 

謝罪の言葉だった。

 

次の瞬間。

Grayは、穏やかな顔でLillieの顔に手を当て、額を合わせる。

その髪は一瞬で伸びており、母親のGrayに戻っている。

そして、そのGrayは確かに母親としての記憶を持っていた。

二人は母娘の記憶を遡りながら辿っていく。

 

髪を切ってケンカの末にLillieが家を出て行ってしまった時のこと。

Lillieが学校に入学した時のこと。

Lillieのためにハロウィンの洋服を作ってあげた時のこと。

そして、乳児のLillieを自分の母乳で育てあげたこと。

 

考察/これはおそらく、Void化したGrayの中にも僅かな残留思念として母親としての意識がまだ残っていたのではないか。そして、Void化した死者の心が満たされた時――きっと本来の場所に帰っていくのだろう。

 

母娘の思い出を振り返り終わったLillieはGrayに最後の言葉をかける。

「私はまだあなたに怒ってる。ただ、あなたがここにいて、それを聞いていてくれたらと思う」

 

 

 

Lillieは、やっと亡くなった母親、Grayに別れを告げることができた。

 

気が付くと、Lilieは自分の部屋へと戻っていた。

あの時開けようとしたらVoidに堕ちてしまった封筒。

その中には、ペンダントと手紙が入っていた。

 

そしてまた――舞台はZero裁判の場に飛ぶ。

行方不明になっているBee(さっきAddに弾き飛ばされたから)。

 

Zero裁判長(イレイジャー)は、Voidを踏破したLillieを賞賛するが、DISはLillieにはさほど強い献身を感じ取れなかったらしい。

「とはいえ、ここに残ってもらうわけにはいきません」

「DISはあなたとの契約を望んでいる」

一応、LillieにもVoidの踏破報酬が与えられるらしい。

Zero裁判長、Lillieに何が望みなのか尋ねる。

Lillieは語り出す。

 

あの「決断」の時にGrayが自分を選んでくれたことへの感謝。そして――

Grayに対しての祈り。

「どうか彼女に安らぎを与えてください」と。

 

すると……Zero裁判長は突然、おかしさを堪えきれないというふうに笑い出した。

「よくぞ言った、Stranger!」

 

Grayの魂が安らかであること、それはGrayの心残りを解消すること。

つまり――自動的にLilyが救出されることになるのである。

 

Lillieは、Grayの願いだったLilyの解放をついに成し遂げた。

ここで、誰かの会話の回想らしきものが表示される。

大昔、人々は空で最も輝く星にその名を与えました。
いつの日か、彼女も同じように輝く日が来ますように。
それまで……
彼女をよろしくお願いね。

この言葉は、恐らく女王陛下とGrayの会話だろうか。

 

そして同時に、Lilyの本名は、「かつて空で最も輝いていた星」に与えられた名前と同じものであることがわかる。

 

つまり、Lilyの本名は、宇宙にあった大きな彗星と同じ名前――

Lilith

 

かくして、長い期間Void Strangerとして幽閉されていた彼女は、ついに自由の身を得ることができたのだった。

Void Stranger Lilith

Fin

 

考察/あるいはLily(リリー)とLillie(リーリエ)、二人の「L」の総称が「Lilith」という言葉で表されているのかもしれない。リーリエもStrangerな気はするので……。

 

【Lillie編エピローグ】

Lillieは自分の本当の母親であるLilyと家に帰る。自分より幼いのにすでに母親ヅラし始めているLilyに呆れるLillie。
そこでLillie、古代語で書かれたGrayの手紙をLilyに差し出す。これはあなたに宛てたものでしょう、と。

だが、その手紙はLillieとLily、二人に宛てられたものだった。
二人は一緒に手紙を読み始める――(Lillie編おわり)

 

【第六章 Void Stranger ~Cif編~】

Voidからその光景を見ていたCifは、イレイジャーに「他人の手紙を覗き見しちゃだめでしょ」と咎められる。

Cifはイレイジャーのことを「Stranger」と呼んだ。

そう、イレイジャーもまたVoidからすれば流れ者。

ということでなにやらイレイジャーがVoidでしていた「調査」は終わったらしく、Voidを離れることになるらしい。

Cif、イレイジャーに協力していた見返りとして、約束通り「DIS」というものが一体何なのか教えてもらうことにする。

イレイジャー、自分にもDISの深層部にまではアクセスできなかったが知っていることを話す、と言い、このVoidがもともとDIS(機関)の施設だったことを伝える。

その頃の人類は今より遥かに進歩した技術を持っていた。量子宇宙旅行、ワープ技術、遺伝子操作に関する研究メモ。

Cifは、自分たちVoid Lordsが生み出された理由、存在目的を尋ねる。

DISにもそれに対する答えはなかった。

ただ、イレイジャーは「DISはまだこの施設の本来の役割を果たそうとしているのかもしれない」と答える。

「いつかあなたが探している答えが見つかることを祈っています」とCifに告げ、イレイジャーはVoidを去る。

そして、CifによるBee探しが始まったのだった。

CifはBeeを探してVoid内を彷徨う。

Tailからは、Monを見た、という情報を得たりする。

そんな中、途中で見つけた足跡を追っていき、怪しげな足跡の場所を一閃。

お札を斬り落とすと、そこにいたのは生きていたMonだった。

Cifがどうやって今までDISを騙していたのか、と問うとMonは口を滑らせた。

「あの茶番は、全部私達の計画の一部だったんですよ」

その言葉からCif、黒幕がLevであると見抜く。

そして、本当の姿を見せたMonとの戦いへ。

Monを倒したCif、Levが何を企んでいるのか改めてMonを尋問する。

Monは答えない。Monはただ「虚空の真の支配者はいつか戻ってくる……それに反対する者は自らの存在そのものを後悔することになるでしょう……お許しくださいお姉様……私はあなたの期待に応えられなかった……」とだけ言い残すと、雷に撃たれて死ぬ。

Monの次の階には、Beeのいる場所に通じる穴があった。

その先には、砂浜が広がっており、Beeが倒れていた。

CifはBeeを支え起こす。気絶していただけで怪我はなさそうだ。

 

Beeは泣きながら今までの経緯をCifに語る。

「Addを見た!」

よくわからないが人間たちの仕業だと怒り、やつらを八つ裂きにしてやる! と憤るBee。

そんなBeeを――

Cifはそっと抱きしめた。

「無事でよかった。もう二度と、こんなふうに心配させないで」

イレイジャーもいなくなって、今Voidに残っている姉妹はBeeとCifの2人きりなのだ。

Beeに対するCifの思いはどれほど重くなっているのだろうか。

 

その思いに、正気に返ってあっけにとられるBee。

「大丈夫? 妹ちゃん」

とりあえずBeeの復讐心は薄れたようだった。

どうしてここに来られたのか、などと今までの経緯を聞くBeeだったが、Cifはただ「休みたい」と答えるのだった。

 

とりあえず……あなたと私のクレジットロール

Void Stranger Cif

Fin

 

【再起動】

そしてBeeとCif、Voidに残された二人の姉妹は、寄り添いあってVoidの中の砂浜に佇むのだった。

 

(この歴史はここまで。この世界線ではMonがイナゴを集めることができなかったのでLevも当面復活しないままだと思われる)

 

▼Gray、あるいはLillieが道中でDIS内部に入った場合、以下のルートに歴史が分岐▼

 

【第七章 Void Stranger ~DISルート編~】

Gray or Lillieは、長い冒険の末についに裏切り者の封印を解き、AddがLevからも隠していた完全なロッドを手に入れる。

 

そして、ついにDIS機関の本部にたどり着いた。

その深部に向かう第一の障壁として、Beeが立ちはだかる。

Grayで来ていた場合は「再戦といきましょうか」と言われる。中世時代に戦っていたことを結構根に持っていたのだと思われる。

Beeを倒したあとの階ではMonが登場。

Beeを倒した今、残りのVoid Lordsはあと1人だけ、とCifを倒すためのヒントをくれる。

そして、第二の障害としてCifが立ちはだかる。

Cifは、Beeがすでに破られたことを悟ると、DIS(OS)にこのままではメインサーバーが破られる、とメイングリッドからの一時的な解放(枠やターン制限の解除)を要請。

承認される。

Addについての思いを独白するCifとの戦いが始まる。

ちなみにこのCif戦、ほとんどの人が「本体」を倒して突破していると思うが、一応まっとうに戦って勝つこともできる。その場合、Cifが生まれた瞬間のCifの記憶と、Addへの感謝の言葉が流れる。

(筆者はクリアできてないのでプレイ動画を参照しました)

 

なんとかCifを倒すことができた主人公はついにDIS最奥部に到着。

それを追うように現れた生き物、「よくやりました、定命の者よ。ここがDISの中心です」と語る。

そして、Monに集めさせたイナゴを自分の身に纏うと、自分の正体――Void Stranger Levとして顕現する。

そこに止めに入ったのはイレイジャーだった。

「やめて! 何を計画しているかわからないし介入したくなかった……でもDISの本質はあなたの理解をはるかに超えている。接触させるわけにはいかない!」

その瞬間。

イレイジャーの身体は雷に打たれ消滅。

Levはその場に残されたイレイジャーのヘルメットを翻訳機として装着する。

そして、Levは主人公に語りかけてくる。

「あなたに言いたいことが2つある。ありがとう。そして死ね」

 

稲妻の飛来をすんでのところでかわす主人公。だが、息も絶え絶えだ。

 

Lev、近くに潜んでいたらしいMonに声をかける。

「Mon、状況はどうだ?」

「計画通りです、ご主人様」

どうやら、Levの計画とは、人間のStrangerにDISのファイアウォールを全て突破させ、DIS OSを乗っ取ることだったらしい。

 

考察/ちなみにCifを操作している時に、空白(DIS)のブランドを見ると、モノローグで「DISは私たちを拒み続けている」と語る。

DISというものは、Void Lordsにとってはっきり何なのか理解してはいないし操ることもできないが、畏れの対象、あるいは憧れの存在だったのかもしれない。

 

Monの持ってきたイナゴのお陰でLevは復活できた。ということですべての仕事を終えたMonにLevは言葉をかける。

「あなたに言いたいことが2つあります」

「え?」

非情な稲妻。Monは消滅した。

 

その時。

主人公の持っている重責(ロッド、剣、翼、メモリーキューブ)が光り始める。

Levの目の前に顕現したのは……

Addに変容した主人公(Glay or Lillie)の姿だった。

(Gray編)

(Lillie編)

 

Addは自分の意識の一部を外部記憶装置……重責の中に隠していたらしい。

今までの確執を語るLevとAdd。

AddはLevに「DISもろとも倒してやる!」と息巻く。

だが、Levは冷静だ。

「そう急ぐな。あなたの努力のお陰で、DISはかなり脆弱な状態にある。そして緊急措置として、我々領主には管理者権限が与えられている。だから私でもメモリステートに自由にアクセスできる」

と言って、囚われていたLilyの姿を出して見せる。

Levは「DISがこの無価値な肉と骨の袋をどう見ているのか、私には理解できなかった」と語る。

そして、「いくら探しても最初のメモリ状態が見つからない。私たちの創造の瞬間。あなたが持っているんでしょう? それを渡せば貴重な肉の山をくれてやる」

と交換条件を突き付ける。

Addは「受け取れ」と『Void Lords創造の瞬間』の記憶をLevに差し出し、引き換えにLilyを受け取る。

考察/Levは『自分の創造の記憶』に拘っているが、それはCif編のB254で得た記憶と同じものだろうか? もしくは、その記憶が「あなたの名前は――」で途切れていたことを考えると、Levが求めていたのは創造の記憶と言うより、『自分の本当の名前』だったのかもしれない。

 

そして、Levは記憶を得て満足したのか、DISに対する権限を利用して、『Devanam Indra Sakra』という存在を召喚する。*5

 

現れたDevanam Indra Sakraの姿は、プライミーバルファイターの姿に酷似していた。

 

(左:Devanam Indra Sakra 右:プライミーバルファイター)

考察/Devanam Indra SakraとはDISのコアとして使われたプライミーバルファイターの残骸、つまりブラックボックスのことなのかもしれない。型番としてそれが使われていたとか?

 

そして、Devanam Indra Sakraと融合したLevは、「天の簒奪者Lev」となってAddの前に立ちはだかる。

2人の戦いが熾烈を極めたその時。Lilyが「やめて2人とも!」と叫んだ。

その言葉に動きを止めるDevanam Indra Sakra。

戸惑うlilyとLev。

Lily「本当に止まった。」

Lev「どうやって止めた?」

Add「リジェクション(拒絶)。」

その言葉に、激しくLevを拒絶するDIS。

Addは言う。「DISは我々のために設計されたのではない。Lev」

Add「ずっとそれが何かを探していた……そして今、ついに目覚めた」

Lev「いや、いい。言うな。……………………この裸の猿(Lily)に価値があると!?」

(大当たり~!)

 

考察/DIS OS、そしてVoidはプライミーバルファイターのパイロットのために作られたものであるため、パイロットの命令は絶対なのだ。

 

DISに拒絶され、自分の目論見が叶わなかったと知り、激怒するLev。

「認めない!」

「お前の存在を抹消してやる! お前の歴史を消してやる! 私は新しい天界の支配者だ!」

 

そしてLevは時空間に大きな歪みを作り出すと、その中に消えていった。

その目的は――黒色彗星LILITHが人類を滅ぼそうとした過去の時代に遡って、LILITHと融合し、今度こそ自分自身の手で人類の歴史を跡形もなく滅ぼすことだった。

それを察知し、追うことを決意したAdd、Lilyに感謝と別れを告げる。

それに対するLilyの反応は――

「ひとりでしゃべらないで!」

DISのこと、Levのこと、時空のこと……まったくもってわからない!

だけど、Grayがいたお陰で人生は楽しくなった。だから、恩返しをする。自分も一緒にLevと戦う、というものだった。

それを受け入れるAdd。

そして、出発する前、AddはLilyに一つだけ注意事項を聞かせる。

「最後に飛んでからかなり時間が経っています。ご容赦を」

「……飛ぶ?」

Addは飛んだ。Lilyを巻き込んで。遥か時空の彼方、黒色彗星LILITHがまさに人類を滅ぼさんとする、その瞬間に向けて。

 

Q.なぜLilyがDISの認めた適格者だったのか?

考察/Cif編の始めでCifはイレイジャーに「なぜ姫に興味を持った?」とLilyのことを気に掛けていた理由を尋ねた。その時イレイジャーは「彼女はわたしに誰かを思い出させました」と答えた。このことから、Lilyこそディスペアーの生まれ変わり、あるいは同一の魂を持つ存在だった可能性がある。

そのため、プライミーバルファイターの元パイロットであるディスペアーと同じ魂を持つLilyは容易にプライミーバルファイターに適合したのだ。

そう考えると、イレイジャーがDISでしていた「調査」とは、DIS OSのことが知りたかった、というよりも、ディスペアーの生まれ変わりであるLilyが自由になれるか心配で見守っていた、というものだったのかもしれない。(それならば、Lilyが解放された途端イレイジャーがVoidを立ち去ったことにも納得がいく)

 

【第八章 Void Stranger ~0st Ranger(Stage 0)編~】

AddとLilyは時間を遡っていく。

その過程で様々な物が見える。

地球。

人類(惑星防衛軍)の兵装?

宇宙へ飛び立つ惑星防衛軍?

Levはすべてを滅ぼすため、黒色彗星LILITHのところへと向かっている。

DISの研究施設。(この施設の形をひっくり返すと、ダンテの『神曲』を題材にボッティチェッリが描いた「地獄の見取り図」によく似ている)

おそらくこの時代のものであろうプライミーバルファイター。

 

そして、AddとLilyは今、心を合わせて一つの姿へと融合する。

(百合太極図! 最高!)

 

今や彼女はZeroの地点に向かうStranger――

Zero Stranger/0st Rangerとでもいうべきだろうか。

 

わけもわからず現れた2つの存在をLILITHもろとも撃墜しようとする「惑星防衛軍」。

全てを滅ぼすため黒色彗星LILITHと融合しに向かう「Lev」。

Levの野望を打ち砕かんと飛翔する「0st Ranger」。

 

三者それぞれの思惑と存亡を賭けたシューティングステージが、今始まる。

(0st Ranger Gray機)

(0st Ranger Lillie機)

Stage 0 Start!

(BGM/Void the Sky)


www.youtube.com

(満を持してメインテーマのハードアレンジ最高!)

 

0st Rangerステージがスタートするとすぐに、惑星防衛軍の無線会話が流れてくる。

(この会話は、英語かフィンランド語、プレイヤーが選択していない方の言語で流れる。日本語パッチを使用していた場合、フィンランド語の部分を差し替えてプレイしているため、英語で表示される)

パイロット「Captain, yet another massive energyspike rising directly above the planet!」

(艦長、また巨大なエネルギースパイクが惑星の真上に上がっています!)

艦長「Where is it heading?」

(どこに向かっている?)

パイロット「It seems to be tailing right behind the first unknown target. Both are heading towards the comet as we speak!」

(最初の未知のターゲットのすぐ後ろについているようです。私たちが話している間に、どちらも彗星に向かっています!)

艦長「...We're too close to fail now. All squadrons, prepare to engage. Destroy both targets before they're able to reach LILITH. May you bask in the glory of the stars.」

(……我々に失敗する余裕はもうない。全飛行隊、交戦準備。リリスに到達する前に両目標を破壊しろ。星々の輝きあらんことを)

解説/シューティングステージは基本的に敵が放つ黒い弾に当たったら死にます。STGが苦手な人は、一度死ぬと「悪い夢を見ていた」的なことになって、左上のキラキラした宝玉に話しかけると、「小さき者よ……あなたならやれる!」と励まされてイージーモードを選ぶことができる。

言葉を語っているのは、性質的に女王陛下の魂あたりだろうか?

 

そして、激しい戦いの末、0st RangerはLevの元に到達した。

だが、LevもLILITHと融合し、彫像のような姿になる。

それを倒すと、白背景をバックにLevとの直接戦闘になる。

※ここの白背景になったシーンで、弾丸を避け、Levの心臓部に触れることができた時のみ、Levの心を救済する追加シーンを見ることができる。

Grayでプレイしていたら社交ダンスの記憶でLevを救い、Lillieでプレイしていたら子供時代にテレビゲームで遊ぶという記憶でLevを救う。

 

そして――

 

【第九章 Void Stranger ~エピローグ~】

黒色彗星LILITHは消滅した。

役割を終えたLilyとAddは流れ星のように地球へ降下していく。

おそらく、人類の滅亡は免れたのだろう。

それによって人類のVoid計画も変更を余儀なくされたのか、世界は「Voidという迷宮なんて存在しなかった世界」へと書き換わっていく。

 

Voidの道中で修道女や花嫁などのNPCたちに会ったと思うが、もし彼女たちに話しかけたままエンドを迎えていると、エンドロールで彼女たちが「Void迷宮に入らなかった世界」の光景が流れていく。

修道女は煙草を吸っていたのを咎められ。

花嫁は結婚する日のことを夢見て歩いている。

トレジャーハンターは遠くからDISの遺跡を発見し(建物自体は残っているらしい)、ヤンキー少女は猫と出会う。

もし、DISルートの道中でこれらのNPCに出会っていない場合はシルエットで表示されることになる。*6

そして、Voidが存在しない世界になるということは――Void Lordsも存在しなくなるということ。

 

砂浜にLilyをそっと横たえると、消え去っていくVoid Lordたち。

Addだけが最後まで名残惜しそうにLilyの頬に手を置くが、彼女の姿もゆっくりと消えていく。

黒い星の伝承を伝える壁画。

そして、主人公たちにとって一番幸せだった頃の記憶が流れる。

(Grayでクリアしていたら、絵本をLilyに読み聞かせるGray。Lillieでクリアしていたら、Grayと一緒に写真を撮る子供の頃のLillie)

 

【再起動】

おそらく、上記エンドの直後。

Lilyは目覚めた。Void Lordsの消えた今、その記憶はどこまで残っているのか、それは誰にもわからない。

流れ星が流れる夜空の下で、Lilyは一人草原に佇んで水平線の向こうをじっと見つめるのだった。

 

【開発室ENDLESS】

DISルートエンドで出たブランドをB23で入力すると開発室へ。

イレイジャーの姿を借りたSystem Erasureのボツ案やラフなどが見れます。

最後のあとがき。(意訳)

どんな未来が待っているのだろうと、私はよく考えます。私たちの世界が年を重ねるにつれて、すべてが安定しなくなっているように感じます。かつてなくつながっているにもかかわらず、私たちはもはや互いに理解しあうことができない。私はこの感覚と何度も闘ってきた。自分の仕事が無意味だと感じています。ただ、もしかしたら……ここまで来たということは、あなたも私と同じことを感じているということ。

今、あなたは私の声が聞こえていますか? 私はあなたの声が聞こえます。

 

あなたが楽しんでくれたことを望みます。あなたのプレイと捧げた時間に感謝します。また次の冒険でお会いしましょう!

そして再びB002へ。

星の光が

私たちの思い出がそれを作る

Endless.

 

一番大きいFinが表示され、これにてVoid Strangerクリアとなります!

お疲れさまでした。

……2024/4/2までは。Ver1.1.0になった今では、物足りない方向けにまだ60ステージ以上+大仕掛けを含むエクストラ編が追加されました。

エクストラ編の入り口は、ここまで見た人のVoid内に1ドットだけを持ったゴーレムがランダムで生成され、それを集合知として組み合わせることでブランドが浮かび上がるという仕掛けでした。

そのスペシャルブランドはこちら。スペシャルブランドなのでトップから入れます。重責は持ち込めません。

あとはがんばってください。

 

【おまけ ver.1.1.0追加 エクストラ編概要】

それは、本作において間違いなく最も美しい光景。

決して叶うはずのない「三人」の仲睦まじい姿。

ただ、それを見て涙を流しているのは……。

 

Void語で流れるのはクラシック曲『カルミナ・ブラーナ』の歌詞の一節。

www.youtube.com

Sors salutis et virtutis michi nunc contraria
est affectus et defectus semper in angaria.
Hac in hora sine mora corde pulsum tangite;
quod per sortem sternit fortem, mecum omnes plangite!

運命は健やかさも力強さも奪い

私を渇望と失望の虜にする

今こそ時をおかず 弦をかき鳴らせ!

運命は強者をも打倒するのだから 皆の者、我と共に嘆こう!

*1:Manusyaは仏教用語で六道輪廻(死後行く場所)のうち、人間界・人間という意味

*2:オニオンが敵兵器か敵(宇宙人)そのものかは不明。オニオンとプライミーバルファイターの姿、覚えておいてください。

*3:この辺りの話、トレジャーの『レイディアントシルバーガン』によく似てるなーと思ったらSystem ErasureのXがフォローしてる数少ないアカウントの一つがトレジャーだったので我が意を得たりと思った。『レイディアントシルバーガン』は超名作STGです。

*4:Cifの角は他のLordよりでかい。姉妹みんなの言うことを聞き取るためか?

*5:『Devanam Indra Sakra』の原義は仏教における「三界天の支配者」。日本語で言うとシャクラ、いわゆる「帝釈天」である。

*6:なんでここにニニーちゃん居ないんですか……? ニニーちゃん……。