セミメロンの憂懼

いつ朝が来たんですか
蝉が青い鱗を乗せていたので頭から囓るとメロンの味がしたので
若者たちの間でこの「セミメロン」は限りない珍味としてシブヤを席捲し
ご臨終! それはただの蝉です


舌の裏側で絶望が溶けるよ


悲鳴と鮮血は綺麗な音楽の


強いキックスが描く光彩


そのまま中空へ昇って虚飾が消えない


君が 君が 幻灯の脳漿に君がいたらなあ!
血管の裏側から掬い上げて 目蓋を被せて閉じ込めておく


蝉は苦いです


たすけて