かくてアダムの死を禁ず/海冬レイジ

かくてアダムの死を禁ず―夜想譚グリモアリス〈1〉 (富士見ミステリー文庫)

絵買いのつもりだったんですが、中々面白かったです。ちゃんとミステリしてた。
異能とミステリというのは、意外と相性が悪いもので、
例えばこの本のように「過去が見える」とか系の能力だと、
「殺人だ！」→能力使う→「お前が犯人だ！」
とすればいいじゃん、となってしまいがちですが（そこら辺をうまく配慮してるのが、榎木津さん〔京極堂シリーズ〕とか）
その能力の「制限」の理由がまたミステリになっていて、二重に楽しめました。
それだけに、次作以降でその点をどう処理するのか気になるけど。
あとラノベ特有とでも言いますか、主人公のキャラの豹変ぶりにはどうも慣れなかったけれど、まあ問題なし。
そして何しろ松竜さんの絵が素晴らしい。
ゴスロリ娘初め、あとシスターばっかで、徹底的に黒い服の人しか出ないので、修道院の静謐な空気と併せて、モノクローム映画の色彩を見てるような美しさでありました。（表紙は→HPで見れますhttp://blog.so-net.ne.jp/matsuryu/）
いやあ萌ゆる萌ゆる。

個人的に思ったんだけど、松竜さんの絵なんだかTYPEMOON武内絵に似てきてない？
まあでもそしたらオクル余計売れるか。