『死ね!』/豊島 与志雄 - 青空文庫

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2ちゃんなどでさりげなく悪意を伝える際にリンクを貼ると有用だと思われる題名だったので(なんだその動機)ちょっと読んでみたら、想像を裏切られる良い短編に感動。


平易に言うと、1934年のニートのお話。それもワナビーニート……。
うわぁ……いつの時代にもこういうのはいるナリねぇ……と思いつつも、しっかりちょっと傷付いている俺ガイル。
前半は読んでて痛い。これはひたすらに痛い小説だなぁ……と思いきや、
最後の一行で完全にやられてしまいました。あぁ、この感覚はやばい。
この落とし方は、卑怯だ。卑怯としか言いようがないが、これ以上の結末は多分ない。
僕らそれぞれの中にもきっといる「彼」、そんな彼に投げ掛ける「死ね!」という究極の愛の言葉は人間の弱さと向き合う言葉でもある。
去る者がいれば見送る者がいるのは常道で、しかしその寂しさこそに一期一会の意味があり、人と人は惹かれ合う。
いつの時代にもそんな葛藤を胎んだテーゼは心を打つものなのですね。感動した。


しかしな。


 「――よりも、赤ん坊になりたい。」


感性が現代と変わってないよ!
あばばあばばあばばあばば 踊る赤ちゃん人間!