『カエアンの聖衣』『大潮の道』『ハイライズ』

objectO兄貴に非A以外に「レアSF貸してください」と言ったらこんなに絶版SFを貸してくれました。

カエアンの聖衣 (ハヤカワ文庫 SF 512)

カエアンの聖衣 (ハヤカワ文庫 SF 512)

カエアンの聖衣 (ハヤカワ文庫 SF 512)
作者: バリントン J.ベイリー
待望のカエアンの聖衣! 期待にたがわず面白かった。といっても中盤はちょっとたるかった。
いくつもの筋を同時に追っていく感じなので、引き込まれないとあれなのかしらね。
一言で言うと→服に着られてしまうお話。
○○的知性の話とか面白かった。しかし、SFの基礎知識とされる元ネタなのにも納得。
いや、これが絶版なのはおかしいっすわ。僕もフラショナールスーツほしい!

大潮の道 (ハヤカワ文庫SF)

大潮の道 (ハヤカワ文庫SF)

大潮の道 (ハヤカワ文庫SF)
作者: マイクル スワンウィック
魔術とSFの融合ってテーマなんですが、高度に発展したなにはなにと区別付かないとかいいますからね。今後だと、テクノロジーを規制することによって魔術を作り出すこともできるのかもね、我々は。
読みにくくもありましたが、なかなか面白かった。
しかし、「大潮」の設定は、最後のシーンをやりたいがためだけに作ったのではないかと思ってしまう。
そしてエロいですね。けしからん。魔術でアレをナニする描写とか実にエロい。もっとやれ。
一言で言うと→書類鞄のぼうけん
書類鞄に萌えられるのはこの小説だけ!

ハイーライズ (ハヤカワ文庫 SF 377)

ハイーライズ (ハヤカワ文庫 SF 377)

ハイ-ライズ (ハヤカワ文庫 SF 377)
作者: J.G.バラード
一言で言うと→マンション住人同士のけんか
身も蓋もない!
しかし、当時「SF」だったものが、今や、スーパーの入るマンションとか住人のけんかとかも珍しいものではなくなってしまったから、そういう驚きはないのかな。現実が追い付いてしまった例か。しかし、諍いから起こる断絶、サバイバル化への流れは、普遍的にグッと我々の心を惹き付けるものがあります。中でも、やっと屋上に上がれた下層住民を待ち受けるあのオチは、大変怖かったです。救われないよなあ。一方、救われる層は、階級闘争を放棄した人間ってあたりが、バラードの人生観なのかしらね。あと、このハイライズ、『CUBE』の監督で映画化が進行しているらしいです。それは観に行きたい。うむ、むしろめちゃくちゃ映画化向けの作品だ。