バイト其の弐

今日は昨日と違うお仕事でした。
部屋に入ると、十数個の段ボールの山。中には、名簿のような書類がぎっしり。
「これを全ページコピーしてください」
それが今日のお仕事です。
「量が多いのでコピー機の蓋は開け閉めしなくていいです」
ということでお仕事開始。
ぴーがちゃがちゃ。
若干うるさい。
手で押さえる書類の隙間から漏れる緑のルミネッセンス。
向かって左には積み上げられた書類の束。そこから一束取り出し、ページを開いて、透明の台に置いて、手で押さえて、コピー開始ボタンを押して、ぴーがちゃがちゃと出力されるのを待って、出力された用紙を脇に置いて、台から外した元書類のページを一枚だけ捲ってまた透明の台に置きます。そしてぴーがちゃがちゃ(以後エンドレスループ)。
勿論、その間コピー機の前に立ちっぱです。椅子なんて贅沢です。
単純作業は、いい哲学の時間になります。
今日は宇宙の存在意義について考えよう。
ういーんぴーがちゃぴー。ういーんぴーがちゃ。
気分はもう賽の河原。一足お先に地獄で待ってる。走っていく。
定時はまだかな。まだ全然だ。
慣れてくると、コピーを取りながら視界の隅に見える壁時計を眺めて、所用時間を計ったりします。
最初の頃は一枚につき15秒ぐらいかかっていた時間も、限界まで迅速に手際良くやることによって最後には10秒を切るぐらいの流れ作業ができるようになりました(出力に6秒ぐらいかかるので、一枚につき許される猶予は3〜4秒になります)。
タイムアタック
エフゼロ略して俺ゼロです。
今俺ゼロが熱い!
段ボールはまだいっぱいあったし、なんだかんだで、この仕事がメインになると言っていたので、4月中にはコピーを数万枚は取れる機会に恵まれるかもしれません。(10秒1枚、一日8時間労働の計算)


ここまで読んで「節子それ強制労働施設や」と思った方もいるかもしれませんが、時々は休ませてくれるし、トイレにも行かせてくれるし、接客をしたり、怖い人がいることもないので、気持ち的には問題ないです。こんなんで音を上げてたらユダヤ人の方に申し訳ありません。みんなだってこれぐらいやっているんだ。
むしろ延々とコピーを取る行為は、なんだか写経をしているみたいな、そんな気分になってくるので、いつか悟りが開けるでしょう。一日で足と腕がパンパンに張った気がするけど、苦行の一つです。
一緒にやっているおばちゃん方も、アメ玉をくれたりチョコをくれたりするので、素晴らしい職場です。
おまけに力仕事まで譲ってくれます。悟りを開く機会が増えて嬉しい限りです。
日本人の方はいい人ばかりです。感動します。
何も問題はありません。
昨日来てた人でなぜか今日来なかった人がいたりもしたけれど、問題ありません。