『ナルキッソス』『ナルキッソス SIDE2nd』

http://stage-nana.sakura.ne.jp/index_j.htm


フリーウェアのノベルゲー。全年齢対象。
某所で話題になっていたことだし、Fateの後で掌編が読みたいお年頃だったのでこの期にプレイしました。


二作合わせてやっても、半日あれば終わるぐらいのボリューム。
ナルキッソス2」をダウンロードすれば、メニューから1も遊べますので安心設計。
で、まあ、作品的には、重い話だったんですが……。
うん……正直、エンドが1つしかないのは悲しいですね。甘いとか言われようが、「加奈」や「こなかな」みたいにハッピーエンドがある方が好きだ。
リアリティを追求すれば、奇跡は起こらないから奇跡なのだし、結末なんて最初から決まっているものなのだけど、その並列世界を垣間見られる無限の可能性があるからゲームが好きだったりするので。
だから、これはゲームじゃないのかな。
「在り方」はともかく、その「行為」が是か非かというのは作中で答えも出ないので、意見の提示ですらなく……問題提起?


作者さんコメントによると、「泣かせゲー」や「ギャルゲー」になることを嫌って作ったらしいので、意図的に描写を淡泊にしたり立ち絵を排除したりしたらしいのですが。その配慮も、辛い現実から離れたくてゲームやってる人にはきつかったかなぁ……。現実は残酷で、自分は死と向き合わずに生きていけないのは解りきってることだから。


私感では、1より2の方が、好きでしたね。ってのは、やっぱりシナリオのボリュームがある方が、展開に無理がない。1のボリュームじゃちょっと足りないかな、と。やや性急にすぎた感が拭えない。
あと1は若干の犯罪行為が目に余って。被害者のことを考えると、「こいつらふざけんな死にかけだからって何してもいいわけじゃねえんだぞこのDQNどもがうえべべべべ」と唾吐きたい怒りが込み上げてきてだめでした。エゴの固まりで人を傷付けて正当化するのは良くない。向き合って罪を引き受けなければね。ラストも、そういう欺瞞がいっぱいあった上でのあの選択だと感じたので、美しさが足りませんね。それらがあったから、2をやっても、「この子なんであんななっちゃったんかなぁ……」って素直にメッセージを受け取れなかったよ。
それであのラストにするところあたり、この作者さんの価値観と僕の価値観は似てるようで全く非なる物なのかもしれません。というのは早急に過ぎるかな。つーわけで、この作者さんがえろげメーカー時代に作ったゲームの「銀色」をこれからやりたいと思います。それでもういっかい「ナルキッソス」を見定めに帰ってくるよ。